住友林業(東京都千代田区)は3月5日、津田塾大学(東京都小平市)小平キャンパスに木造平屋建ての「ウェルネス館」を竣工した。同施設は住友林業が設計・施工を担当し、構造材・内装材に木を多く使用することで、学生の心身の健康と自己成長を促すとともに、木材の炭素固定による脱炭素にも寄与する。利用開始は3月下旬を予定している。

総木材使用量は約127m³で、炭素固定量は約103トンCO₂e bio(One Click LCAによる算出)。木造建築は鉄骨造やRC造と比べて建設時のCO₂排出量(エンボディドカーボン)を削減でき、炭素を長期間固定する点も特長だ。
空間デザインでは木の癒し効果に着目し、エントランスホールや多目的室、事務室、医務室の柱梁の一部をあらわしとした。住友林業筑波研究所によると、木や木質空間には木目や香りによるリラックス効果があり、不安やイライラを軽減する可能性があるという。このため、壁面、床、天井、什器などの内装にも木目を積極的に採用した。
学生が気軽に利用できるよう動線・ゾーニングにも工夫を凝らした。エントランスホールを中心に、医務室・相談室・休養室・メディテーションルームなどウェルネス・センターとしての諸室と、研修・公開講座に使える多目的室を左右に配置。用途に応じて空間を分けつつ、「ひとつ屋根の下」で緩やかにつながる平屋建ての構成とした。オールジェンダートイレや静かに過ごせるメディテーションルームも設けている。
外観は緑豊かな小平キャンパスや玉川上水の景観に調和する木造とし、すべての開口部を森へ視線が抜ける向きに配置。自然とのつながりを感じられるよう配慮した。学生とのワークショップでは、キャンパスで親しまれてきた樹木を活用し、アートワークやベンチへと造り替え、新しい施設に思いを継承している。
エントランス庇にはCLT(直交集成板)をあらわしで使用。燃えしろ設計により耐火性を確保しつつ、木の質感が際立つ意匠とした。

定礎式にて(3月5日)
津田塾大学 髙橋裕子学長(左)と住友林業 建築事業部 今井邦雄部長
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