労働時間の規制緩和について参院本会議などで議論される中、厚生労働省においても労働時間法制の見直しについて協議が進んでいる。10月27日に開かれた労働時間法制に関する有識者会議では、法定休日、連続勤務規制、勤務間インターバルなどの現状と課題について議論。さらに休日・休息のあり方や時間外・休日労働の上限規制などに関する意見を参加委員から聴取した。
このうち労働時間の上限規制については、36協定の原則となる月45時間・年360時間に近づける努力を要求する声があった。労働者側の意見として「現在の上限規制は過労死ラインの水準であり、それを超えるような働き方をさせてはならない」、「希望者に限定して長時間労働を認めた場合、長時間労働者が評価されて職場が長時間労働に引っ張られる」などの懸念が示されている。
その一方で、使用者側からは「中小企業は慢性的な人手不足であり、労働時間削減に取り組む余力が乏しい。中小企業が対応できる柔軟な規制の在り方が必要」、「現行の働き方改革は、より働きたい、より稼ぎたい、成長したい、仕事の完成度を高めたいという労働者のニーズを抑制している」との見解も聞かれた。
連続勤務、建設業は「6~13日」が半数
また、実行性のある取り組みとして、連続勤務規制、勤務間インターバルなどについて実態調査結果を報告し、具体的な対策を検討した。
連続勤務規制については、24年度の労災の精神障害支給決定件数のうち、「2週間以上にわたって連続勤務を行った」ことを主たる理由とした事案が36件、うち自殺が7件あったことを重視。現状として、変形週休制の導入により4週4休とした場合に最大48日間、2週2休の場合で最大24日間の連続勤務が可能となっている。そこで今後、4週4休の特例を2週2休にするなど、連続勤務の最大日数を縮小する方向で検討を行う。
同省による連続勤務の実態調査結果によると、全職種における連続勤務の平均が「5日以下」が63.7%となる中、建設業では連続勤務「5日以下」が44.5%、「6~13日」が47.6%となり、それぞれ約半数を占めた。さらに「14~20日」(4.5%)、「21~27日」(2.3%)、「28日」(1.0%)との回答も確認された。
終業から翌日の始業までに一定の休息時間を確保する「勤務間インターバル」については現在、事業主の努力義務となっており、24年時点の導入率はわずか5.7%にとどまっている。また、建設業で導入した企業からは、「仕事量が多い」「人員不足」などを理由に、同制度を導入した場合の業務遂行に困難を感じるとの意見が出た。その一方で、「心身の健康が改善した」「睡眠時間を今まで以上に確保できた」との意見も3~4割程度見られた。

勤務間インターバルで得られた効果

住友林業の勤務間インターバル制度導入例
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