国と東京都は3月4日、首都東京における防災まちづくりを強力に推進する「災害に強い首都『東京』形成ビジョン」の改定案(PDF)を公表した。同ビジョンは2020年に策定されたもので、能登半島地震後の情勢変化を受けて、今回見直しを行った。改定案には新たな助成制度の創設など、住宅に関わる施策が盛り込まれている。
2024年1月に発生した能登半島地震では、木造住宅密集地域での大規模火災や、その後の大雨による複合災害の脅威が浮き彫りとなった。そこで改定案では、複合的な災害が発生することも念頭に、被害の発生回避や早期復旧・復興の実現などに重点を置いた。

多世帯住宅への建替を助成
このうち地震対策では、大規模火災の発生を防ぐため、整備地域以外の木造住宅密集地域についても整備を強化。新たに「防災環境向上地区」として33地区、約1000haを指定する。
また不燃化特区のうち、高齢化や無接道敷地などにより建て替えが進んでいない地域に対する支援メニューを拡充。高齢化世帯の建替えを推進するため、多世帯住宅への建て替えに必要な費用を助成するほか、隣接地との敷地統合などに伴う測量費や手数料など費用の一部を支援する。
他に、災害時の電柱倒壊による被害を防ぐため、緊急輸送道路に加えて土地区画整理事業や市街地再開発事業に併せた無電柱化を推進。都内全域での無電柱化を図る。宅地開発についても規制区域内における電柱の新設を原則禁止とする条例を制定する。

水害対策では、気候変動を踏まえた治水計画への見直しや下水道施設の整備、「高台まちづくり」の推進への取り組みを強化する。「高台づくり」では公園を高台化などにより、ライフライン停止時も避難生活が可能な避難スペースの整備を進める。このほか、個別住宅への止水板設置など住宅市街地の水害対策を総合的に支援する「住宅市街地総合整備事業(水害対策型)」を創設する。
複合災害対策では、「地震×噴火」「地震×豪雨」「地震×原子力」「地震の複数同時発生」「感染症×豪雨」などのパターンを想定。中でも首都直下地震後に水害が発生する「地震×水害」への対策に重点を置き、デジタル技術の活用による復旧・復興作業の生産性向上を推進する。具体的には、レーザーやドローン、スマホLiDARなどによる測量を推進。応急復旧作業にICT機器を導入する建設業者に対し補助金による支援を行う。進捗が遅れる都市部の地籍調査についても加速させる。
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