公正取引委員会(公取委)はこのほど、「中小受託取引適正化法」(取適法、旧下請法)で新たに対象取引として追加された「特定運送委託」に関するYouTube動画を公開した。
この動画では、「特定運送委託」の概要や荷主が守るべき規制の内容などについて、公取委の広報担当者と担当官が解説。併せて、初の試みとなった国土交通省と公取委の合同パトロールについて語っている。
4つの類型を解説
「特定運送委託」は、発荷主が自社の事業のために行う物品の運送を、運送事業者(個人も含む)に委託する取引のことで、運送会社と直接契約して配送するケースが該当。取適法の対象者かどうかは、発荷主(委託事業者)と運送事業者(中小受託事業者)の規模によって決まる。

特定運送委託の対象者
委託内容は「類型1」から「類型4」の4種類に分類される。「類型1」は、委託により取引先や消費者に対して商品を配送するケースが対象。動画ではインターネット販売(小売業者)の事例を紹介している。この動画では触れていないが、建設業関連では卸売業者や小売店が注文を受けて製品を配送するケースが該当する。
「類型2」は、部品などの製造を請け負った事業者が完成した製品を委託配送する場合が該当する。動画では部品メーカーが完成品のメーカーに部品を配送するケースを紹介している。建設業関連では、注文を受けてプレカットした木材製品やコンクリートなどのプレキャスト製品、住宅ユニットなどの配送がこれに当たる。
「類型3」は、修理した物品を委託配送する場合が対象。動画では自転車修理の事例を紹介している。建設業関連では、リフォーム工事での建具の修繕や畳の張り替え、各種設備の修理などでの委託配送が該当する。
「類型4」は、バイク便などを使って情報成果物を配送するケースが対象となる。動画ではポスターや販促物の配送を例として挙げている。建設業関連では、図面などをデータ送信せずに物理メディアで配送する場合や、制作した建築模型を委託配送するケースが該当する。
「荷待ち」も規制の対象に
動画では他に、4つの義務と11の禁止事項についても解説。今回新たに規制対象となった「手形払い」や、建設現場でよく見られる「荷待ち」、発注品ではない荷物の積み下ろしなどの無償対応についても禁止事項として説明している。

4つの義務と11の禁止事項
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