奈良県御杖村で、空き家問題の解決と地域活性化を目指す産官学連携イベント「御杖村を知ろう!移住・空き家活用セミナー」が10月4日に開催される。主催は御杖村むらづくり振興課で、吉武工務店(大阪府東大阪市)と近畿大学工業高等専門学校が協力する。会場は吉武工務店が改修した古民家施設「Yoshitake村御杖」で、参加費は無料。

Yoshitake村御杖外観
イベントでは、空き家の売り手・買い手・所有者を迎え、パネルディスカッションを実施。補助金制度などの情報提供も交えながら、空き家の可能性について多角的な視点から議論を行う。
御杖村は1960年(昭和35年)以降、人口減少と高齢化が進み、空き家の管理不全による事故リスクが課題となっている。今回のイベントではこうした背景を踏まえ、空き家を「未活用の空間」から「地域の資源」へと転換する契機とすることがねらいだ。また、古民家暮らしに興味のある人に向け、御杖村を移住・定住の候補にしてもらうこと、空き家所有者、地域住民に対し、“地域の未来”、“自分の住まい”を改めて考えるきっかけを提供することを目的としている。
吉武工務店の吉田丈彦代表は、御杖村の古民家が空き家として朽ちていく現状に危機感を抱き、2年前に「Yoshitake村御杖」を開設。以来、セミナーや探索ツアーを開催し、田舎暮らしや古民家改修の厳しさも含めて発信してきた。今回のイベントについては、「地域・行政・若者の視点を融合させた初の試みで、古民家の未来に新たな光を当てる挑戦となる。今後も、価値ある古民家を次世代へつなぎ、皆さんの夢の実現を支えていきたい」と話している。

古民家ツアーでは、1級古民家鑑定士の同社代表吉田丈彦さんが解説しながら「移住体験住宅」と「空き家情報バンク登録物件」を案内する
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