政府は3月10日に開いた「第3回日本成長戦略会議」の中で、「官民投資ロードマップ素案」(PDF)を公表。17の戦略分野の一つとして「次世代型太陽電池」(ペロブスカイト太陽電池など)を重点的に推進するための方針を打ち出した。2030年度までに発電コストを14円/kWh以下に抑えるほか、2040年までに国内への導入を約20GWにまで引き上げる考えだ。
具体的な支援策として、耐荷重性調査などを含めた建物への導入計画作成に対する補助を拡大することに加え、公共施設やインフラ空間への率先導入を進める方針。また、国民負担の抑制と自家消費を促すため、発電コストが電気料金水準未満となるよう、FIT/FIP制度の新区分による支援を検討する。これにより今後、壁面や軽量屋根への設置を前提とした設計・施工が本格化することが予想される。

ペロブスカイト太陽電池の投資ロードマップ案
住宅用を量産化の起点に
ペロブスカイト太陽電池を戦略分野とした背景には、エネルギー安全保障への課題がある。現在主流となっている「シリコン太陽電池」は、中国が世界シェアの約8割を握っているが、ペロブスカイト太陽電池は主原料となるヨウ素のシェア約30%を日本が有している。したがって、同太陽電池の国内生産能力の獲得が国産エネルギーの確保に直結する。
日本が強い競争力を持つのは、軽量かつ柔軟性により新たな設置場所への展開が可能な「フィルム型」、および高効率性を活かして面積あたりの発電量の増加が見込める「タンデム型」の2種類。
このうちフィルム型ペロブスカイト太陽電池に係る技術では、発電層を外気から保護する封止技術や、耐久性向上・大型化に向けた製造技術で優位に立っている。施工費込みの発電コストをどれだけ低減させられるかが鍵となるため、需要創出への支援を通じた量産コストの低減などに加え、設置・施工方法の確立を推進する。
タンデム型では、受光・発電のボトムセルとなるシリコンの表面加工技術や成膜技術に強みがある。今後はシリコンを使用しないペロブスカイト・カルコパイライトによる太陽電池の開発も併せて推進する。耐久性・高効率が求められる住宅用を初期市場とし、発電コストの目標をシリコン以下となる12円/kWh以下に設定することで、量産体制の整備を加速させる。

出典:「次世代型太陽電池に関わる動向について」(2025年5月)経済産業省
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