国土交通省と総務省がこのほど実施した「集落の現況把握調査」(PDF)によると、過疎地域などの条件不利地域にある集落は7万8485集落で、5年前に実施した前回調査と比べて694集落(0.9%)減少した。減少は無人化と集落再編が主な要因。特に九州圏での減少が顕著だった。
集落人口は合計1432万9040人で、1集落当たりの平均人口は約185人。2019年以降に転入者があったのは2万9889集落(43.6%)で、このうち子育て世帯の転入者があったのは1万6025集落だった。空き家の管理状況は、「一部が管理不十分」が1955集落(51.3%)、「大部分が管理不十分」が505集落(13.2%)を占めた。一方で、「概ね良好に管理」は151集落(19.9%)にとどまった。
同調査は、過疎地域などに存在する「集落」の現状を把握し、将来的に無人化が危惧されている集落への対策や、今後の地域政策に生かすために実施しているもの。「集落」とは、一定の土地に数戸以上の世帯が居住する住民生活の基本的な地域単位(行政区の基本単位)を指している。
機能低下した集落、2.2ポイント増
集落における高齢化の状況をみると、住民の半数以上が「65歳以上」で構成される集落は40.2%で、半数以上が「75歳以上」の集落は6.5%だった。65歳以上の割合が高い集落は「中国圏」(49.6%)と「四国圏」(51.9%)で多かった。前回調査との比較では、「東北圏」で14.3ポイント、「北陸圏」で10.3ポイント、「近畿圏」で10.1ポイント、「九州圏」で11.3ポイントそれぞれ増えている。
集落の機能維持については、「機能良好」な集落は5万9507集落(75.8%)で、前回調査より2.5ポイント減少。「機能低下」している集落は1万5141集落(19.3%)で同2.2ポイント増加、「維持困難」な集落は2936集落(3.7%)で横ばいだった。
機能低下および維持困難な集落の特徴として、「人口・世帯数ともに小規模」「高齢化率が高い」「山間地にある」「本庁までの距離が遠い(20キロ以上)」「地形的に末端にある」といった傾向が見られた。
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