FDM(大分県大分市)が経営する東京・馬喰町のレストラン「バクロコモン」は、高倉氏の知人の紹介で2018年に購入。当時、宿泊施設向けの食事やケータリングを自社でまかなえる体制づくりを構想しており、その足掛かりになると判断した。実際には東京は地価が高く、人材の採用も難しいため、それには不適だった。本社の大分市に近い場所で開始すべきだった。当時は別の狙いもあった。それは飲食店の顧客から建築の仕事を受注すること。これは見込み違いだった。一般の顧客は店の設計者や経営者に関心がない。「おしゃれな店」と感じて終わりだ。一方で飲食店の経営者で得られた知見は、飲食店の設計施工の際に大いに役立っている
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※本記事は、新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー5月号「建築バズ企画斬」掲載の事例から、FDM(大分県大分市)の事例を抜粋したものです。
取材:大菅力 まとめ:編集部

2020年福岡に開店した「警固町コモン」。スケルトン天井と木質系の素材感を対比。東京の「バクロコモン」のコンセプトを引き継いだ空間
飲食店運営で得た教訓
①飲食業の業務は意外と工務店に近い。工務店業は企画開発、製造、販売、アフターに分かれる。レストランは運営企画、運営計画、メニュー企画開発、調理(製造)、販売、常連づくり(アフター)。大きく違うのは原価率と粗利率
②飲食店の事業計画は損益分岐点から逆算。年売上1億円(月800万)で、客単価6,000円、席数42。これをもとに回転数や目標を設定。日報でカードや現金、ペイペイなどの支払い内訳を記録して数字を積み上げていく
③売上向上には・・・
この記事は『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー5月号(2025年5月10日発行)建築バズ企画斬』(P.23〜)をデジタル版に再編集したものです。続きは本紙でご覧いただけます。
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