富士経済(東京都中央区)は、次世代太陽電池として注目される「ペロブスカイト太陽電池」の世界市場の調査結果を発表した。2040年には2024年比で約67倍となる3兆9480億円規模に達する見通しで、住宅業界においても建材一体型(BIPV)や建物据付型(BAPV)用途での活用が期待されている。
ペロブスカイト太陽電池は、軽量・柔軟性に優れたフィルム基板型と、既存の結晶シリコン太陽電池の生産ラインを活用できるガラス基板型に分類される。現在はガラス基板型が主流だが、将来的にはフィルム基板型がBIPV用途を中心に市場の3割以上を占めると予測されている。
特に注目されるのが、ペロブスカイトと結晶シリコンを組み合わせた「タンデム型」。変換効率の向上が期待されており、2030年前後から発電事業用途での導入が進む見込み。2040年にはペロブスカイト太陽電池市場の約6割をタンデム型が占めるとされる。
日本市場では、2025年度に積水化学工業が商用化を開始予定。2040年度には342億円規模に成長すると予測されている。政府の「第7次エネルギー基本計画」でも国産化とサプライチェーンの整備が掲げられており、住宅業界における導入促進が期待される。
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