三協立山(富山県高岡市)は7月10日、2025年5月期の連結決算を発表した。売上高は3594億円(前期比1.8%増)と微増となったが、営業利益は15億円(同59.4%減)、経常利益は9億円(同75.7%減)と大幅な減益で、最終損益は23億円の赤字となった(前年は10億円の赤字)。
主力の建材事業は、新設住宅着工の駆け込み需要があったものの、エクステリア市場の縮小が響き、売上高は1786億円(同2.0%減)、セグメント利益は2億円(同89.4%減)と大きく落ち込んだ。
基幹サッシの「マディオ」「アルジオ」の2シリーズを統合した高断熱スリム窓「エスティナ」の発売、製造現場へのロボット導入、住宅用とビル用サッシの混流生産ラインの構築など、新商品の投入や省人化、品質と生産性を高める供給体制などに取り組んだが、アルミ地金価格の上昇や物流費の増加などが利益を圧迫した。
一方、リフォーム分野では住宅省エネキャンペーン2025の効果もあり、リフォーム関連商材の売れ行きが好調に推移した。「ノバリス」シリーズでは、サッシの売上高は、前期比約135%、玄関ドアも前期比109%となった。
マテリアル事業は、建材・輸送分野の市場低迷の影響を受けつつも、アルミ地金市況の高騰が売上に寄与し、売上高は598億円(同12.6%増)、セグメント利益は26億円(同77.3%増)と堅調に推移した。減価償却方法の見直しによる費用減も利益改善に寄与した。
同社は中期経営計画「VISION2030」に基づき収益構造改革を進めており、今期(2026年5月期)は売上高3700億円、営業利益40億円を見込む。住宅取得意欲の低下や資材高など依然として厳しい事業環境が続く中、成長投資との両立が課題となる。
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