一建設(東京都豊島区)はこのほど、住宅基礎工事向けの新工法「HT Base基礎一体打ち工法」と専用セパレーター金物「µ(ミュー)セパ」を開発した。両技術は5月に特許を出願しており、現在審査中だ。新工法と専用金物は建材金物メーカーのタカヤマ金属工業と共同で開発されたもの。一建設は同社と特許技術の使用許諾契約を締結したうえで来春から一般販売を開始する。

専用セパレーター金物「µ(ミュー)セパ」
ベタ基礎の底盤と立ち上がり部を1回の打設で一体化する従来工法は、工期短縮や打ち継ぎ部の解消による品質向上が期待される。一方で、深基礎でのレベル調整が難しいことや消耗品の多さ、熟練者の技量に依存する作業が多い点が課題となっていた。これらの問題を解決するため具体化されたのが、同社内の技術提案プロジェクトを通じて開発された新工法と専用金物だ。
µセパにより型枠の設置レベルを柔軟に調整できる点が特長で、型枠や消耗品の種類を大幅に削減しながら施工精度を確保する。また、ベースと立ち上がり部を同時に施工することで打ち継ぎ部をなくし、雨水やシロアリ侵入リスクを低減したほか、コールドジョイントの排除による構造強度も向上した。型枠設置やコンクリート打設方法は、現場の作業者と監督者による実施工で検証され、得られたノウハウを教材化したことで、同社の基礎施工技術として標準化が進んでいる。
一建設は施工動画も公開しており、新工法の普及を図る方針だ。

専用セパレーター金物「µセパ」を設置した住宅の基礎部分
実際の施工動画はこちら。
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