建築コンサルタントの石川新治さん(住まい文化研究会代表理事)は、住宅基礎工法として、従来型の「布基礎」を独自に改良した新たな仕様を提案。2023年に特許を取得。その後全国で10数社の工務店が採用を始め、これまで累計50棟を超え徐々に採用実績が広がっている。
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住宅金融支援機構の「フラット35住宅実態調査」によると、2023年時点で、新築の木造軸組住宅に採用される基礎工法の割合は、ベタ基礎が95.2%に対し、布基礎は4.7%。地域別では、布基礎が87.7%を占める北海道を除き、過去30年弱で基礎工法の標準が布基礎からベタ基礎へと完全に転換したことがわかる。
一方、石川さんはベタ基礎に対し早くから疑問を抱き、布基礎工法の合理性に着目。ライフワークとして、構造強度と施工性を両立する新たな布基礎工法の開発に取り組んできた。
2023年にはその集大成として、EPS型枠を用いた一体打ちの布基礎工法を開発。「eLbase(エルベス)」として、導入実績を徐々に伸ばしてきたものの、施工には高さ600㎜の大型鋼製型枠が必要になり、施工に対応できる基礎工事業者が少ないことがボトルネックになっていた。
その間、石川さんは自ら開発した新布基礎工法の断面形状を生かしながら「一体打ち」の要素を省くことで「ベタ基礎に慣れた基礎工事事業者が、普段使う鋼製型枠のみで施工できる工法」として再改良。それが今回の仕様だ。
底盤増厚で断面合理化
従来の布基礎は、底盤(いわゆるフーチング)中央に立ち上がり部を設けた逆T字型断面が一般的だ。一方、新布基礎は・・・
この記事は新建ハウジング7月30日号6面(2025年7月30日発行)に掲載しています。
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