長野県根羽村と根羽村森林組合は11月から、大径材の天然乾燥試験「Neba Scale(ネバ・スケール)」を開始した。矢作川流域の根羽村(山間部)、安城市(平野部)、西尾市(沿岸部)の3カ所で試験を行い、気候の差が木材の乾燥に与える影響を比較、検証する。
戦後に植林され、想定以上に太く成長した大径材は、現在の規格に合わず活用が進んでいない。さらに、体積が大きいため乾燥が難しく、人工乾燥の場合はエネルギー消費量も増大。上昇するエネルギーコストが木材価格に転嫁され、利用されづらくなる悪循環が起きているという。
ネバ・スケールでは、化石燃料を使わない天然乾燥で大径材の含水率を、建築用材として利用できる15~20%以下まで下げられるかを検証。約1年間、正角(260㎜角)、太鼓(160㎜厚)、丸太(皮剥きのみ)の3種類計90本の木材を乾燥させて含水率や割れ、変形を記録、分析する。
その後、検証結果をもとにエネルギーコストの削減効果を定量化。大径材の経済的な価値を高め、環境負荷の低い「地域分散型木材利用モデル」の構築を目指すとしている。

左から、天然乾燥比較試験に使用する正角材(260㎜角)、太鼓材(160㎜厚)、丸太材(皮剥きのみ)
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