国土交通省は「住宅性能表示基準」および「評価方法基準」の見直しに向け、最終的な検討を行っている。住宅性能表示制度の一次エネルギー消費量の上位等級として等級7・8を設けるほか、CLTパネルを用いた木造住宅における劣化対策等級の評価方法の整備や、室内空気中の化学物質の濃度測定方法などについて改正を行う。告示案のパブリックコメントを6月26日まで実施した後、9月頃に交付、12月頃に施行する予定だ。
まず、一次エネルギー消費量等級7・8の創設に伴って評価方法基準を改正。床面積当たりの設計一次エネルギー消費量を算出するための計算式を新たに規定する。さらに等級6~8を対象に、太陽光発電設備などエネルギー効率化設備(※コージェネレーション設備を除く)による一次エネルギー消費量の削減率を算出するための計算式も定める。等級7の基準は消費量削減率30%(BEI0.7以下)、等級8は同35%(BEI0.65以下)とする。
CLT活用促進で評価合理化
CLTパネルを用いた劣化対策等級の評価基準では、幅広い範囲の建築物でCLTの活用を進めるため、土台を設けない工法の場合に一定の防水・劣化対策が講じられていれば、土台の基準を適用せずに評価することを可能とする。
その要件として、①CLTパネルと基礎と接する部分に水切りが設けられていること、②CLTパネルと基礎との間に防水上有効な措置が施されていること、③室内から床下への漏気による水蒸気の供給が遮断されていること―を挙げた。
等級2・3における判定では、CLTパネルや下地材にJAS材を使用しているかなど、外壁の軸組に関する基準により評価する。
化学物質の濃度測定方法では、シックハウス問題への対応として室内空気の採取法の見直しを行う。これまで室内空気からトルエンなどを採取する方法の一つとして、「容器採取法」(ガスクロマトグラフ/質量分析法)が用いられていたが、これは大気中VOCの採取方法であり、室内空気の採取法としては適さないことから、「室内空気中化学物質の測定マニュアル(統合版)」から除外する。
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