ダイキン工業(大阪市)、東急(東京都渋谷区)、東急レクリエーション(東京都渋谷区)、東急不動産(東京都渋谷区)の4社は2月16日、東京・渋谷エリアなどで2025年7月~9月に実施した「まちなかにおける屋外クールダウンプロジェクト」の検証結果を公表した。
同プロジェクトは、国土交通省の令和7年度脱炭素・クールダウン都市開発推進事業のもと、「屋外の快適さ」と「省エネルギー(節電)」の両立を目指し取り組んだもの。まちなかを涼しくする屋外エアコンの設置と、それにより増加したエネルギー消費を緑化や空調の運用改善などで補う省エネ施策を検証・実証した。

クールスポットの設置場所
渋谷エリアの公園(渋谷区立北谷公園、代々木公園 BE STAGEなど)や広場(Shibuya Sakura Stage)など5カ所に、屋外エアコン「OUTER TOWER」とミスト等を組み合わせて設置し、「快適な屋外クールスポットの構築」を実証した。その結果、熱中症の危険度を示す「暑さ指数(WBGT)」が大幅に改善。渋谷区立北谷公園では、設置前は「厳重警戒以上(WBGT28以上)」が約80%だったが、設置後約4%まで低下した。さらに、屋外エアコン近くは利用者が最大2.2倍に増加し、キッチンカーの平均販売個数も5%増となるなど、経済的な効果も確認された。
利用者の94%が「涼しい」と感じるなど、夏の外出の心理的なハードルが下がることも分かった。ベンチ周辺や屋外イベントなど、滞在目的のある場所へ設置した場合、滞在時間や回遊性の向上など、にぎわい創出の効果が大きくなることも明らかとなった。
「エリア単位でのエネルギー最適化」では、屋上のエアコン室外機周辺の緑化や、空調の運用改善による省エネ効果を実証。ゴーヤを使ったビルの屋上緑化によって最大5℃程度の周辺温度低下を確認したほか、温度の過度な上げ下げや消し忘れを防ぐ運用改善システムを導入した渋谷区の髙木ビルディングでは、導入前後の同時期の比較で約7%の省エネ効果を観測した。

室外機芋緑化システムによって緑化した例(日本橋丸善東急ビル屋上)
今回の実証実験では、クールスポット構築による増エネ量(1万1816kWh)に対し、緑化や運用改善による建物の省エネ量(2万5000kWh)が大きく上回っており、エリア単位のエネルギー効率の改善と快適性の両立を確認した。
今後、各社およびダイキン工業らが立ち上げた産官学民連携プロジェクト「SHIBUYA GREEN SHIFT PROJECT」では、今回の結果をもとに街ごとの特徴を掴んだ最適なクールスポット構築や、建物への運用改善の提案を行い、「街全体の快適性と省エネ」の施策を推進するとしている。
詳細な結果報告は、SHIBUYA GREEN SHIFT PROJECT「WHITE PAPER」としてまとめている。

実証実験の成果
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