イケダコーポレーション(大阪府大阪市)主催の「エコバウ建築ツアー」が、2025年10月19日~27日に実施され、本紙も同行した。28回目のツアーとなる今回は『木の循環と建築』がテーマ。ドイツ・オーストリア・スイスの最先端のエコ建築の状況を紐解きながら、これからの住宅のあり方のヒントを探っていこう。
■関連記事
第1回:【エコバウツアー】ドイツで見るサステナブル建築の今
第2回:【ドイツ・エコバウ建築ツアー】実験住宅にみるこれからの住まい

カウフマン
世界的建築家ヘルマン・カウフマン氏の案内で、オーストリア西部フォアアールベルク州の自然豊かな「ブレゲンツの森」地域をめぐり、住宅や建築物を視察した。ここでは、伝統的な手しごとや建築文化を生かしながら、住民がどのように持続可能な暮らしを実現しているのか、そして住民・自治体・職人・建築家が連携してつくり上げた “三方よし” のまちづくりの成功例を学んだ。
| ● |
山あいの小さな村・クルムバッハの発展の理由
クルムバッハ村は、森・木・手しごとといった地域の伝統を守りながら、建築とデザインを軸に発展してきた。人口はわずか約1000人だが、パッシブハウス密度は世界一。今や観光客が世界中から訪れる人気の地域だ。
壮大な自然景観の中に、ホテルが景観を支配するような派手な観光地にはなっておらず、のどかな農村風景が広がる。カウフマン氏はこの地域を「農業・産業・観光のバランスが取れた、産業構造の転換に成功した地域」と表現する。
この村の発展の核にあるのは「手しごと」だ。源流はバロック期にまでさかのぼる。かつてこの山奥には教会建築に特化した職人集団がおり、冬は技術を伝え、春になると各地で教会を建てる—その働きによって「手しごとはお金を生む」という価値観が根づき、尊敬と誇りの対象となっていった。1960年代に一度は価値が薄れたが、近年建築家がその価値を再発見し、職人たちは再びヨーロッパ中から求められる存在へと返り咲いた。
自治体主導の「高密度化」と住民意識
![]() |
![]() |
| 自治体センター内の図書館と音楽団の練習室。練習室は市民サークルの参加者がDIYで内装を施した。職人でなくても住民の日常には手しごとが根付いていることがわかる | |
住民は地域の未来に強い責任感を持ち、自ら村に投資してインフラを整えてきた。その中心にあったのが、自治体主導で進められた「高密度化」だ。教会を中心とした徒歩圏に生活機能を集約し、スーパーを建設して民間企業を誘致。自治体センター、銀行、役所など生活に必要な機能を全て中心街に集めた。
さらに・・・
この記事は新建ハウジング2月10日号12面(2026年2月10日発行)に掲載しています。
※既に有料会員の方はログインして続きを読む
有料会員になると、全ての記事が読み放題
| 有料会員
定期購読&会員サービス全てが利用可能! |
試読会員
「フルスペック」の有料会員を1ヶ月無料でお試し! |
| デジタル会員・・・一部記事が閲覧可能! 会員登録する | |
有料会員でできること✓
| ✓ | バックナンバー3年分が読み放題 |
| ✓ | DIGITALオリジナル記事が読み放題 |
| ✓ | クローズドのセミナー・スクールに参加できる |
有料会員向けおすすめ記事
| 【ドイツ・エコバウ建築ツアー】実験住宅にみるこれからの住まい |
【断熱工法と窓廻り】付加断熱の窓は木枠を省略 |
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。




























