ハウスメーカー5社がPEX管廃材の資源循環スキームを構築

2025年11月18日 08:10

旭化成（東京都千代田区）、旭化成ホームズ（東京都千代田区）、積水化学工業（大阪市）、積水ハウス（大阪市）およびCFP（広島県福山市）の5社は11月10日、住宅の建築現場で発生する給水給湯管の施工端材を活用した資源循環スキーム構築に向けた取り組みを開始すると発表した。

給水・給湯用の架橋ポリエチレン管（PEX管）「エスロペックス」を製造する積水化学工業（環境・ライフラインカンパニー）は、製造時に発生するエスロペックス廃材のリサイクル技術を検討してきた。今回、ケミカルリサイクルを手掛けるCFPが、エスロペックス廃材を元に再生油化し、再生エチレンを生成。旭化成が再生エチレンから再生ポリエチレン樹脂を製造し、積水化学工業が再生エスロペックスを製造する資源循環のサイクルを実現可能とした。

旭化成ホームズ、積水化学工業（住宅カンパニー）、積水ハウスの3社は、施工廃棄物の回収・リサイクルの取り組みを加速させるため連携を検討してきたが、今回この資源循環のサイクルに参画。エスロペックスを共通で採用し、廃材の回収量を拡大することで、スキームの経済合理性の向上を図る。

住宅メーカーと化学メーカー、リサイクラーの強みを融合することで資源循環スキームを構築し、2026年3月末の運用開始を目指す。

近年、資源枯渇への懸念や環境問題の深刻化から、持続可能な形で資源を最大限活用する「サーキュラーエコノミー（循環経済）」へ移行する動きが世界的に進んでいる。業界の垣根を超えた5社は、連携して環境負荷の低減を目指し、資源循環の輪を拡大していくとしている。