大林組はこのほど、BIMとの連携により中規模木造建築物における準耐火構造設計の効率化を図る支援ツール「SynchroMOK(シンクロモック)」を開発した。
「SynchroMOK」に火災避難にかかる時間を計算するための情報(歩行距離や歩行速度など)を入力するだけで、木構造の燃えしろ深さを短時間で算出できる。例えば、5階建て、延べ面積2500㎡の建物の場合、これまで約4時間弱かかっていた計算が30分程度に短縮される。建築確認申請に使用可能であることも検証済みだ。

「SynchroMOK」の概要
中規模建築物を純木造で設計する際、火災避難時に建物が倒壊することのないよう「火災時倒壊防止性能検証法」や「避難時倒壊防止性能検証法」により燃えしろ深さを算定するが、計算が複雑であることが課題となっていた。
そこで同社は、設計の効率化を図るため、BIMとの連携を前提とした「SynchroMOK」を開発。このツールは、同社のBIM業務標準である「Smart BIM Standard(スマート・ビム・スタンダード)」に基づいた「BIMワンモデル」(一貫BIMモデル)を活用することで、各種性能評価に必要な構造情報を自動的に抽出することを可能にする。
各種性能評価に必要な情報については、「BIMワンモデル」としてすでに運用している、以下の設計支援ツールを用いて抽出する。
・避難安全検証とBIMデータを連携:「SmartHAK」
・耐火性能検証とBIMデータを連携:「SHAREDTIK」
・高精度なZEB評価が可能:「SmoothSEK」
同社は、自社開発の各種性能評価ツールとBIMパラメータ(属性情報)との連携を強化することで、設計作業の一層の効率化を進め、建て替え需要の高まる中規模建築物に対して純木造化の提案を推進する考えだ。
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