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住宅着工の減少、資材高騰、職人不足――地域工務店を取り巻く環境はかつてなく厳しい。一方で、店舗・オフィス・倉庫など非住宅分野における木造化の潮流は着実に広がりを見せている。こうしたなか、サトウ工務店(新潟県三条市)とユースフルハウス(新潟市)は、全国の地域工務店による非住宅木造分野への参入・事業化を支援するボランタリーチェーン(VC)「GroWood(グロウウッド)・ネットワーク」を立ち上げた。11月5日には、関東圏の工務店を対象に東京都内で非住宅木造の受注ノウハウを解説するセミナーも開催しながら、VCへの加盟工務店を募る。 【編集部 関卓実】
【関連セミナー】地域工務店が勝ち残る道 木造非住宅を獲得するための仕組み構築勉強会
VCの運営はユースフルハウスの関連会社・ユースフルプレイスが担い、加盟工務店からの相談対応や設計・施工などに関する技術サポートをサトウ工務店が行う。両社とも、加盟を募る工務店と立場が同じ「家づくりがメインの地域工務店」である点が、同VCの大きな特徴だ。加盟工務店と同じ目線で悩みや困りごとにも寄り添いながら、非住宅木造に関するノウハウ構築と技術力の底上げ、さらには受注機会の創出・拡大を支援する。
サトウ工務店は、大型パネル工法による断熱等級7・耐震等級3を標準仕様とした高性能住宅を手がけ、その技術を基盤に、近年は事務所や倉庫など低層中規模木造施設へも事業領域を拡大している。
加えて、同工法の導入支援をはじめ、気密測定や構造計算といった設計事務所・工務店向けのB to Bの技術コンサルティング事業も展開。こうした実績を踏まえ、厳しい市況の中で「住宅で培った木造の技術を生かして非住宅分野へ踏み出したい」と考える地域工務店を後押しするのがVCの狙いだ。サトウ工務店社長の佐藤高志さんが、「どこから始めればいいのか」といった相談レベルの最初期段階から“伴走型”でサポート。プラン・設計、見積もり・積算、構造計算、施工まで一連のプロセスについて具体的に助言する。

企業の要望に応え、トラス構造によってスパン11mの大空間を実現した木造の倉庫。VC加盟店に対して佐藤さんが、適切な工法の選択も含めて技術的なアドバイスを行う
メインターゲットは低層中規模
木造のコスト優位性高まる
佐藤さんは「延べ床面積300㎡〜1000㎡未満程度の低層中規模の木造施設は、設計・施工の方法や職人、建材など住宅の延長線上で地域工務店が無理なく手がけられる。『経験がない』『どうやって受注すればいいのかわからない』という不安を乗り越えれば、工務店の事業の新たな柱にできる」と話す。
事務所や店舗、倉庫といった施設の木造化は、事業者(発注者)にとってもコストダウンや省エネ性、快適性、環境性を同時に実現できる大きなメリットがある。鉄骨やコンクリート(基礎)の高騰で木造のコスト優位性が高まり、さらに・・・
この記事は新建ハウジング10月20日号4-5面(2025年10月20日発行)に掲載しています。
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