厚生労働省が9月26日公表した2024年の「就業形態の多様化に関する総合実態調査」結果によると、「正社員以外の労働者がいる事業所」の割合は、全産業平均の82.3%に対し、建設業では50.0%となった。「正社員がいる」は99.9%(全産業平均94.4%)、「正社員のみ(正社員以外はいない)」は50.0%(同17.7%)だった。
建設業では人手不足の解消に向けて、非正規雇用者の正社員化を推奨する動きがあり、他の産業と比べて正社員中心の構造が突出している。その一方で、女性が働き続けられる柔軟な働き方や、経験豊富な高齢技術者・技能者の再雇用への対応などが求められていることから、多様な雇用形態を組み合わせた人材確保も急務となっている。
3年前と比べた正社員数の変化については、建設業では「増えた」が26.9%、「変わらない」が39.6%、「減った」が33.2%となっている。
建設業の就業形態の現状を詳しくみると、「正社員がいる事業所」(99.9%)のうち、「正社員のみ」が50.0%、「多様な正社員がいる」が6.9%、「契約社員(専門職)がいる」は8.3%、「嘱託社員(再雇用者)がいる」は18.0%、「パートタイム労働者がいる」は24.5%、「派遣労働者(受け入れ)がいる」が10.5%などとなった。
今後、正社員以外の労働者の割合が「上昇する」と回答した事業所に、増えると予想される就業形態を尋ねたところ、「嘱託社員 (再雇用者)」(60.6%)、「パートタイム労働者」(24.0%)、「契約社員 (専門職)」(18.2%)、「臨時労働者」(15.2%)が上位を占めた。
非正規就労、強みは「柔軟性」
同調査では、全産業の正社員以外の労働者を対象に、仕事に対する意識についても調べている。まず、正社員以外の就労形態を選んだ理由については、「自分の都合のよい時間に働けるから」(40.1%)、「家庭の事情(家事・育児・介護など)と両立しやすいから」(26.4%)などの回答が多かった。
建設業にも多い雇用形態では、「パートタイム労働者」は「自分の都合のよい時間に働けるから」(50.5%)、「嘱託社員 (再雇用者)」は「専門的な資格・技能を活かせるから」(43.3%)、「派遣労働者」は「正社員として働ける会社がなかったから」(33.3%)との回答が最多となった。

現在の就業形態を選んだ理由(全産業)※一部編集
同調査は、5人以上の常用労働者を雇用する事業所約1万7000事業所と、そこで働く労働者約2万3000人を対象に、2024年10月1日現在の就業形態や労働者の意識について調査したもの。有効回答率は事業所が50.6%、個人が61.0%。
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