総務省消防庁がこのほど発表した8月の「熱中症による救急搬送状況」(PDF)によると、全国における熱中症の救急搬送数は3万1526人となり、昨年同月の3万2806人から1280人減少した。月別の調査を開始した2008年以降で、5番目に多い水準となっている。
熱中症搬送者のうち、発生場所別では「住居」が1万1579人(構成比:36.7%)で最多に。次いで、「道路」6288人(19.9%)、「公衆(屋外)」4250人(13.5%)の順となった。建設業の作業現場を含む「道路工事現場・工場・作業所」は3472人(11.0%)で、4番目に多かった。年齢別では、満65歳以上の「高齢者」が最も多く1万7273人(54.8%)を占めた。

8月における熱中症による救急搬送数(年別)
都内で重・中等症目立つ
医療機関への搬送時の症状は、「軽症(外来診療)」が1万9936人(63.2%)、「中等症」は1万741人(34.1%)、「重症(長期入院)」は717人(2.3%)、「死亡」は39人(0.1%)だった。「重症」は意識障害、呼びかけへの無反応、ふらつき、「中等症」は頭痛、吐き気、嘔吐(おうと)などの症状が主な特徴となっている。
都道府県別では、「東京都」(3318人)、「大阪府」(2219人)、「愛知県」(2187人)、「埼玉県」(1996人)などが上位となった。東京都では、「重症」が107人、「中等症」が1201人など、症状がより深刻な搬送者が多かった。
気象庁によると、2025年の6~8月の平均気温は1946年以降で最も高く、北日本で+3.4℃、東日本で+2.3℃、西日本で+1.7℃などとなった。こうした中、熱中症による救急搬送者は6月中旬から増え始め、6月30日からの週には1万187人、7月21日からの週には1万997人と、1万人を超えた。5月から8月までの搬送者は累計で9万744 人に上っている。
一方、9月(1~14日)の搬送者は6500人で、最高気温の低下とともに減少傾向にある。参考として、ここ数年の9月の搬送者は2024年が1万1503人、2023年は9193人、2022年は4931人となっている。

2025年5月以降の熱中症救急搬送者数
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