東京商工リサーチ(東京都千代田区)は9月8日、8月の全国企業倒産状況について発表した。企業倒産(負債額1000万円以上)は、前年同月比11.3%増の805件、負債総額は同12.8%増の1143億7300万円だった。

件数は、3カ月連続で前年同月を上回った。8月に800件台になったのは2013年(819件)以来12年ぶり。10産業のうち4産業が前年同月を上回った。建設業は175件(同44.6%増)と2カ月ぶり、不動産業は31件(同72.2%増)と4カ月連続でそれぞれ前年同月を上回った。

負債総額は、6カ月ぶりに前年同月を上回り、8月としては3年ぶりの前年同月超えとなった。負債1億円未満が612件(構成比76.0%)と小規模倒産が中心だが、5億円以上10億円未満が26件(前年同月比73.3%増)に増加し、負債額を押し上げた。10億円以上は12件(同33.3%減)、100億円以上は2カ月連続で1件発生した。負債額上位には、やまぜんホームズ(三重県・18億円)などがあげられる。
現時点では中小企業に相互関税の影響は小さく、予防的な資金調達の動きは目立たないが、物価高・人件費上昇に金利引き上げとトランプ関税が加わり、経営リスクは増している。人手不足関連倒産では「人件費高騰」が前年同月の3倍増、「物価高」倒産は3カ月連続で前年同月を上回った。業績回復が遅れた中小企業は資金調達も難しく、年末の資金需要に対応できない息切れ倒産など、企業倒産が増勢を強める可能性が高い。
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