ルームクリップ(東京都渋谷区)のRoomClip住文化研究所はこのほど、レポート「夏の暮らしの新スタンダード」をまとめた。同社が運営する住生活特化型SNS「RoomClip」の投稿・検索データをもとに、猛暑と電気代高騰に直面する今夏の暮らし方の変化を分析した。
今年は8月30日までに気温が40℃を超えた日数が「8回」となり、過去最多を記録している。2025年、RoomClipに投稿された「暑さ対策」に関連するコメントは、20年比で6.09倍、検索率は同3.18倍まで上昇した。同社は「具体的な暑さ対策方法や知恵を積極的に探そうとする意欲の表れ」で「恒常的な課題として認識されている」ことを示すものとした。
同調査ではまた、生活者が手軽な日用品から住宅そのものに至るまで、4つに分類できるアプローチでこれらの課題を解決していると報告。具体的には「日用品など手軽なアイテムによる工夫」「『複合冷房』による家電を併用した工夫」「DIYやリフォームによる設備のアップグレード」「住まいそのものの性能を重視する家づくり」を挙げた。
このうち、「『複合冷房』による家電を併用した工夫」としては「サーキュレーターやエアコンと組み合わせ、効率的な空気循環を実現」「シーリングファンを用いて階段や吹き抜けで暖かい空気をかく拌し、冷暖房効率を向上させる」ことを紹介。「DIYやリフォームによる設備のアップグレード」では「プラダンで簡易内窓を手作り、吹き抜けに仕切り板を設置する」など、熱の出入りを抑える工夫のほか、「内窓(二重窓)の設置」「補助金活用によるコスト軽減」に触れている。
また「住まいそのものの性能を重視する家づくり」については、RoomClipユーザーへのアンケートでZEHへの関心の高さを取り上げた。回答者の87.7%がZEHに前向きで、特に「光熱費の削減」(81.5%)、「年中快適に過ごせること」(71.4%)への期待が高かったという。
今回のレポートについて、同社は「『猛暑』と『電気代高騰』という二つの課題に対し、生活者は日用品から住宅に至るまで、多層的なアプローチで暮らしを豊かにしていく様子が明らかになった」とまとめている。
■関連記事
夏のエアコン「一晩中つけっぱなし」「電気代かなり高くなった」
中古マンション選び、約6割が「省エネ重視」―MEMOCO調べ
住宅リフォーム実施者の約5割が省エネ対策実施—ラディエント調査
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。





























