住生活領域に特化したソーシャルプラットフォーム「RoomClip」を運営するルームクリップ( 東京都渋谷区)の「RoomClip住文化研究所」は12月3日、「RoomClip住文化研究所トレンドレポート2025-2026」の記者発表会を開催した。同研究所主任研究員の水上淳史さんを中心に、2025年の住まいと暮らしに関する10の注目キーワードがランキング形式で発表。1位には「日本リバイバル」が選ばれた。
本ランキングは、RoomClipに投稿された写真やタグ、いいね、コメント、検索キーワードなどの膨大なデータを定量・定性的に分析し、その年の住まい・暮らしトレンドを抽出・発表する取り組み。同社内に設置された「RoomClip住文化研究所」がキーワード選出を担当する。
水上さんは、「日本リバイバル」が1位に選ばれた背景として、大阪・関西万博の開催やインバウンド需要の回復により「日本らしさ」への関心が急上昇したことを説明。昭和・平成レトロのインテリアや和モダン、ジャパンディといったスタイルが再評価されたとした。実際、2020年比で「平成」は9.01倍、「和モダン」は1.93倍など、関連キーワードのコメント率が過去最高水準に到達している。このことから、「複合的かつ多面的に日本への注目度が高まった1年だった」とまとめた。
2位「3畳私室」は、1〜4畳のコンパクト個室への関心急増を反映したもの。水上さんは従来の書斎を超え、個人の活動を尊重する「凝縮された宇宙」のような空間写真がRoomClipに多数投稿されたことを報告。住宅面積縮小と個人時間充実ニーズが重なり、LDK中心から個人活動中心への住まいシフトを象徴する動きとした。
3位の「複合冷房」は、記録的猛暑を受け、エアコン単体ではなくサーキュレーターやスポットクーラー、断熱リフォームなどを組み合わせた多層的対策が普及した動き。4位は「推し壁」で、カプセルトイやキャラクターグッズを壁面に高密度に飾るスタイルを紹介した。5位は「スマート防犯」で、防犯カメラを中心としたIoT機器の導入が急増したことで、防犯に限らず獣害対策など安心な暮らしのインフラとしても注目されたことに言及。以下、6位「リビング再編」、7位「ジェスモナイト」、8位「丸テーブル」、9位「自給系家庭菜園」が続いた。
10位には「生成AIインテリア」がランクイン。生成AIを活用して理想の部屋をシミュレーションする投稿が急増し、自宅写真をベースにインテリアスタイルを変える事例も広がったことを指摘。AIによる創造とリアルな住まいの価値の再認識が同時に進む現象として、2025年の顕著な動きとした。
水上さんは「3畳私室」や「推し壁」を例に挙げ、2025年は個人の活動に寄り添う空間づくりがより鮮明になり、家族団らんと一人時間の両立が新たな住まいの課題として浮上したと示唆。その上で「従来のLDK間取りをリフォーム・リノベーションで個室化・コンパクト化する動きが加速している。今のライフスタイルや社会構造に合わせた多様な住まい方が並行して進むのではないか」と展望を示した。

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