不二サッシ(神奈川県川崎市)は12月18日、大林組(東京都港区)、伊藤忠メタルズ(東京都港区)と連携し、解体工事で発生するスクラップからアルミ材を選別・回収してアルミサッシとして再生利用する「水平リサイクルフロー」を構築したと発表した。
この取り組みは、建設資材における循環型経済と脱炭素社会の実現を目指すもの。大林組が請け負う解体工事で発生したアルミ材を再生し、再び大林組の建設現場で利用するまでのトレーサビリティを確保している。

水平リサイクルフローのイメージ図
第1弾の適用事例では、東京都内の大林組建物解体工事で発生・選別したアルミ材を伊藤忠メタルズが回収・加工・管理し、不二サッシに供給。不二サッシは回収材からアルミサッシを製造し、大林組施工の「大林組技術研究所オープンラボ3(OL3)」新築工事第2期部分で使用する。これにより、新材のみを利用した場合と比べ、製造時のCO₂排出量を約80%削減。また、排出元と再利用先を特定し、サッシ工場近郊で一連の作業を完結させることで輸送によるCO₂排出量も軽減する。
建設業界では、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、建設物のライフサイクル全体でのCO₂排出量削減が課題となっている。特に、資材製造・施工段階での削減は建設会社の貢献度が高く、リサイクル建材の採用は資源有効利用促進法の観点からも重要だ。
不二サッシはアルミ建材製造時のCO₂排出量削減を目指し、アルミリサイクル率向上に取り組んでいる。今年度からはリサイクルアルミ100%建材「Reサッシ R100」を展開。今後も資源の有効活用を進め、循環型経済と脱炭素社会の実現に貢献するとしている。
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