DXによる現場支援事業を展開するメンバーズ(東京都中央区)は11月27日、「日本企業のサーキュラーエコノミーへの取り組み実態調査2025」を公表した。調査では全国の企業担当者6582人を対象にスクリーニングを実施。積極的または一部でサーキュラーエコノミー(以下CE)に取り組む企業は13.4%にとどまった。本調査はCEの取り組みや検討を進めていると回答した企業の中から412件を分析したもの。監修は東京大学大学院特任准教授木見田康治氏が担当した。
CEとは、使い捨てではなく資源を繰り返し循環させる経済の仕組み。廃棄を減らしつつ、修理・再利用・シェアリングなどで新たな収益を生む考え方だ。
「取り組んでいる」「検討している」と回答した企業(CE関与層)の取り組みで一番多いのは「省資源‧省エネ‧廃棄物発⽣の抑制」(29.1%)で、「リサイクルしやすい製品設計」(28.9%)が続いた(下グラフ)。大企業ほど取り組みが顕著で、従業員3001人以上の企業では「全社的に積極的に取り組んでいる」が12.3%に達する一方、500人以下の企業では3.2%にとどまる。
推進の障壁は、専門人材不足が24.5%で最多。この他、法規制や政府支援の未整備(21.4%)、技術の未成熟やコストの高さ(20.9%)、サプライチェーン全体での情報連携の難しさ(19.9%)が同水準で続く。
また、CEの取り組み状況別にLCA算定時の課題を質問した。情報収集‧導⼊検討段階では「コストや算定⽅法の決定(52.6%)」など、社内の課題が中⼼。取り組みが進むと「専⾨⼈材不⾜(48.6%)」や 「社外連携の難しさ(28.9%)」といった課題が顕在化した。
製品のライフサイクル全体の環境負荷を評価するLCAの算定状況についても質問。複数の製品で算定し事業に活用しているCE関与層の企業は18.0%にとどまったが、「一部の製品で試行的に算定している」(37.6%)を含めると55.6%に達した。この層は「情報収集・検討中」(36.9%)を合わせると、9割以上がLCAを視野に入れている。
木見田氏は「日本企業の多くはまだリサイクル程度の小幅な取り組みに留まる。CEは規制対応ではなく、気候変動対策と経済安全保障の観点からも経営の中核に据えるべき課題だ」と強調した。
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