国土交通省はこのほど、建設分野における外国人材の受け入れ・育成に関する現状と課題について、有識者会議で議論した内容を取りまとめて公表した(PDF)。この中で、分野別の運用方針、中長期的なキャリアパス構築、技術者受入れの方向性、外国人共生の取組の方向性など、建設分野の外国人材育成・確保のあり方について方向性を示している。
2027年度から施行される「育成就労制度」では、3年間の就労を通じて技能の修得に向けた計画的育成を行うことが求められる。そこで今回、各受入企業がキャリア育成プランを策定・運用する際の参考となるよう、中長期的なキャリアパスのモデル例を作成した。これを基に各専門工事業団体が職種ごとの特性に応じた「キャリア育成プラン」を作成・公表し、さらに受入企業が個別にプランを作成して、外国人技能者の育成を図ることが望ましいとした。
併せて「外国人就労管理システム」で出入国在留管理庁の在留情報と建設キャリアアップシステム(CCUS)と連携させることで、外国人建設技能者の就業履歴を蓄積し、処遇の確保・育成を推進する。
転籍制限は当面2年
建設業における「育成就労制度」の考え方のうち、転籍制限期間については当面2年とする方針を固めた。将来的には1年に短縮することを目指す。分野別の業務内容などを踏まえて、本来は1~2年の間で設定されることが望ましいとされているが、技能習得に時間を要することなどを考慮し、同一の育成就労実施者の下で継続して就業する必要があると判断した。
1年を超える転籍制限期間を定めた産業分野に求められる「待遇向上策」では、就労開始から1年経過後の昇給率を、建設業における前年平均賃金の上昇率以上とする。分野別の上乗せ基準については、入国後講習で労働安全衛生に関する講習を受講することを要件として追加する。現行の技能実習制度の上乗せ基準である受入企業の建設業許可、CCUS登録などの要件も引き継ぐ。転籍時の日本語水準については、A1相当とA2相当の間の一定レベルを求める。

CCUSによる就業履歴の蓄積イメージ
■関連記事
特定技能・育成就労制度で「上乗せ基準案」 転籍制限2年で調整
技能実習計画認定数、24年度は3.1万減 インドネシアの割合増加
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。






























