厚生労働省は12月8日、技能実習制度の運用に必要な事項を定めた「技能実習制度運用要領」(PDF)の一部を改正して公表した。「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」に基づいて具体的な解釈基準を示したもの。今回の改正では、受け入れ時に求められる新たな基準や手続き要領、石綿(アスベスト)関連業務に従事させる場合の留意点などが盛り込まれた。
このうち技能実習計画における時間外労働の設定については、月ごとの時間外労働の合計時間数が、45時間を超える場合、もしくは80時間以上短縮する場合などに届出が必要であることを明記している。時間外労働の上限規制の対象に技能実習生も含まれていることから、月80時間を超える設定は認定されない点が強調された。技能実習を行わせることが困難となった場合や、やむを得ない事情で技能実習生が転籍を希望する場合の手続きについても記している。
帰国後の労災対応も説明義務に
石綿を含む建材などが使用された建築物の解体業務などに従事させる可能性がある場合の措置についても追記された。入国および雇用契約締結前の段階で、石綿の有害性や健康障害防止のために講じる措置などについて母国語で説明し、理解を得ることを新たに求める。説明した内容は書面にまとめ、「重要事項説明書」(様式第1-19号)とともに提出する。
石綿にばく露することによって、将来的に肺がんや中皮腫などを発症する可能性があることから、帰国後であっても日本での労働が原因であると認められた場合には、労災保険給付を請求・受給できることも、事前に行う説明に含める。
このほか、送出国の推薦状に関する内容も変更された。通常、送出国の公的機関が作成した推薦状を技能実習生ごとに提出しなければならないが、二国間の取り決めにより推薦状が不要となる対象国にバングラデシュと東ティモールの2カ国を追加した。両国のほか、インド、フィリピン、ミャンマー、ブータン、ウズベキスタン、パキスタン、タイでも推薦状が発行されないため、提出は不要となっている。
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