東京カンテイ(東京都品川区)は10月30日、首都圏における「新築一戸建て住宅が購入可能な目安世帯年収」の推移をまとめた調査結果を発表した。2019年から2024年までの5年間で、購入に必要な年収水準が大きく上昇。住宅価格の高騰が所得の伸びを上回っている現状が浮き彫りになった。
調査は、住宅ローン利用者の年収倍率をもとに、100㎡換算の新築一戸建て価格から購入可能な世帯年収を算出。2019年には存在しなかった「年収1500万円以上」が必要な駅が、2024年には16駅(シェア2.0%)に増加した。これらは東急線沿線や山手線内側など、都心の人気エリアに集中している。
また、「年収1000万円以上」の駅も51駅から100駅(12.5%)へ倍増。池袋・新宿・品川など、主要ターミナル駅へのアクセスが良好なエリアが中心となっている。
中間層向けエリアは郊外へシフト
「年収800万円以上」の駅は、102駅から172駅(21.6%)へ増加したが、都心部から郊外へと分布が移っている。城南・城西エリアの多くがより高年収帯にシフトした一方で、城東、大宮、湘南など武蔵野線外側のエリアに新たな分布が見られる。
最多シェアを占めたのは「年収600万円以上」の駅(307駅、38.5%)だが、増加率は鈍化しており、分布はさらに郊外へと広がっている。
一方で、「年収400万円以上」の駅は305駅から184駅(23.1%)へ、「年収400万円未満」の駅は72駅から19駅(2.3%)へと大幅に減少。所得水準の上昇が追いつかない中で、住宅取得のハードルが高まっていることがうかがえる。
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