積水化学工業、積水ソーラーフィルム、NTTデータ、日軽エンジニアリングの4社は10月20日、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を建物外壁に設置するための改良工法の開発を10月から開始したと発表した。この工法は実用化を見据え、アルミ押出形材を用いたフィルムの固定金物を採用するもの。

同工法に使用するフィルム型ペロブスカイト太陽電池
軽量で柔軟性があるフィルム型ペロブスカイト太陽電池は、外壁や窓面など都市部の既存建物にも設置可能といった特徴がある。その反面、設置時にシワやヨレが発生する、耐風性・耐久性を高めるために固定枠の断面性能を上げると重量が増える、案件ごとの設計・調整のため固定枠の切削加工にコストや時間がかかるといった課題があった。
そこで4社は、これまでに積水化学工業とNTTデータで2023年より実施していた、同太陽電池の設置実証で得られた知見や課題をもとに、大量生産が可能な工法を開発。アルミ押出形材を用いた固定金物を用いることで、壁面(垂直面)の施工時に発生しやすいシワやヨレを防ぎ、耐久性を高める。実証実験による検証では、塩害地域での耐久性や都心部の建物での施工性、アルミ加工工場での製造性について検証。設置方法や太陽電池モジュールを固定する方法を確立する。その際、意匠性についても考慮に入れる。
2026年度以降の目標として、日軽エンジニアリングで製造ラインの構築を実施し、NTTデータのデータセンターやオフィス計16棟への導入を目指す。
各社が今回のプロジェクトで担当する役割は次の通り。

フィルム型ペロブスカイト太陽電池の設置に関する技術については、積水化学工業のほか、大和ハウス工業、エネコートテクノロジーズなどが独自の技術により、社会実装に向けたフィールド実証を行っている。
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