リコー(東京都大田区)、大和ハウス工業(大阪市)、NTTアノードエナジー(東京都港区)はこのほど、3社がコンソーシアムで取り組むペロブスカイト太陽電池の社会実装に向けた技術開発・実証事業が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO、神奈川県川崎市)のグリーンイノベーション基金に採択されたと発表した。
同技術開発・実証事業では、3社が技術連携し、インクジェット印刷ペロブスカイト太陽電池生産技術、施工設計技術、電装設計技術の開発をワンストップで行うことで、早期の社会実装を目指す。

コンソーシアムの役割
リコーは、複合機の開発で培った技術をもとに、ペロブスカイト太陽電池の高変換効率化・高耐久化に加え、高生産性・低コスト化を目指す。大和ハウス工業は、多様な施設での環境配慮型設備の導入技術を活かし、大型物流倉庫の屋根やデータセンターの外壁などへの施工技術を開発し、さまざまな建築物への実装提案を行う。NTTアノードエナジーは、これまで蓄積してきた電装設計に関するエンジニアリング技術などを活かし、モジュール劣化低減に資する設計技術や、独自のパワーコンディショナを開発。曲面屋根や壁面に導入する際に生じる不均等日射による発電量の低下などを解決する。
従来のシリコン系太陽電池では設置が難しかった耐荷重性の低い建物や壁面などに、ペロブスカイト太陽電池を供給することで、再生可能エネルギーの導入率向上に貢献する。
今回の採択を受け、3社は屋根、外壁、防水材などの部材メーカーと連携し、研究開発段階から社会実装を見据えた計画を推進。2029年度までにペロブスカイト太陽電池のBIPV/BAPVに向けた技術を確立し、2030年度に年間製造能力300MW以上・発電コスト14円/kWhの達成を目指す。

インクジェット印刷ペロブスカイト太陽電池
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