木造住宅の耐震技術を競う全国大会「カベワンGP(グランプリ)」が10月4~5日にものつくり大学(埼玉県行田市)で開催され、AQ Group(埼玉県さいたま市)が率いる「AQチーム匠」が史上初となるトーナメント4連覇を達成した。
同大会は、地震や台風などの水平荷重に耐える「耐力壁」の性能を競うもので、全国の大学・専門学校・企業が参加。2体の木造耐力壁を引き合い、破壊または所定の変形値を超えた時点で勝敗が決まる。剛性だけでなく、連戦に耐える持続的な耐久性も求められる。
AQチーム匠は、2023年に優勝した「ヴィーナスの逆襲」を改良し、今大会では「窓辺のヴィーナス」を出場作品として投入。新ルール「金物の使用重量に応じた開口設置」に対応し、広い開口部と高耐力を両立させた。接合部の強化や釘の配置見直しにより、サッシをはめ込む実用性も確保。決勝戦では約5.4トン(53kN)の加力に耐え、相手壁が限界に達して勝利した。
AQ Groupはこれまでにトーナメント優勝9回、総合優勝7回という実績を持つ。2023年には大会記録となる71.2kN(約7トン)を記録している。同社は大会で得た技術を、純木造8階建て本社ビル(さいたま市)や5階建てオフィスビル(川崎市)などの中大規模木造建築に応用。「組子格子耐力壁」や「相欠き合わせ柱式ラーメン構造」など、革新的な構造技術を実現している。

トーナメント4連覇を達成した「AQチーム匠」と「窓辺のヴィーナス」
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