帝国データバンク(東京都港区)が10月8日に公表した「全国企業倒産集計 2025年度上半期(4月~9月)」によると、倒産件数は前年同期比3.1%増の5146件と、2021年度下半期から8半期連続で増加した。上半期としては2013年度(5320件)以来12年ぶりの5000件超となった。負債総額は同49.6%減の6705億800万円と2半期連続で減少し、上半期としては4年ぶりに1兆円を下回ったが、「負債額5000万円未満」(3204件)が2000年度以降で最多となり、中小零細規模の倒産が目立った。

半期別倒産件数推移
業種別では、7業種中4業種が前年を上回った。「建設業」は1013件(同10.0%増)と上半期としては2013年以来12年ぶりに1000件を上回った。「不動産業」は155件(同9.9%増)で、2024年度下半期と並び過去10年で最多となった。

主因別では、「販売不振」が4215件(同2.8%増)で最も多く、全体の81.9%を占めた。売掛金回収難、不良債権の累積なども含めた「不況型倒産」は8期連続で増加している。
建設業は、「ゼロゼロ(コロナ)融資後倒産」が62件(構成比18.6%)、「人手不足倒産」が53件(同24.8%)でそれぞれ上位。「後継者難倒産」は65件(同24.6%)、「物価高(インフレ)倒産」は129件(同26.4%)で最多となった。
経営者の高齢化・後継者難などの影響で、2025年1-9月の「休廃業・解散」は倒産件数の6.9倍の約5万2300件、年間7万件ペースで増加している。また、「経営者の病気・死亡」が主因の倒産も2000年以降の4年間で42.3%増加し、最多を更新した。今後、深刻化する高齢化問題とともに「景気や業績に関係なく増え続ける倒産」として動向が注目される。
2025年度下半期は、物価高、価格転嫁、人手不足、賃上げへの対応で事業継続を断念する中小事業者の「あきらめ型倒産」を中心に、倒産件数は5000件を超える可能性が高く、年度通期は1万件を超えると予想される。
また、同日発表した9月の企業倒産は、建設業は前年同月比で31.9%増(前年同期135件→178件)となった。「職別工事」が前年同月57件から84件と建設業全体の倒産件数を押し上げ、特にとび工事や土木、コンクリート工事の増加が目立った。
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