東京商工リサーチ(東京都千代田区)が10月8日に公表した2025年度上半期(4〜9月)の全国企業倒産(負債1000万円以上)は、件数5172件(前年同期比1.5%増)となり、4年連続で増加した。負債総額は6927億7200万円(同49.6%減)と大幅に減少したが、件数ベースでは2013年以来の高水準となった。特に中小・零細企業を中心に倒産が増えており、「人手不足」関連の倒産は過去最多を記録した。
産業別では、10産業のうち5産業で倒産が増加した。中でも建設業は1036件(前年同期比7.4%増)と4年連続の増加。年度上半期で1000件を超えるのは2014年度以来、11年ぶりとなった。資材価格の高止まりに加え、人手不足による工期遅延、協力業者への支払い負担増などが資金繰りに大きな影響を及ぼしている。
年末に向けて、賞与支払いや年末工事の資材支払いなど企業の資金需要がさらに高まる時期を迎える。東京商工リサーチでは、物価高、人手不足、金利上昇に加え、過剰債務の解消が見込めない企業の資金調達が今後のポイントになるとする。その上で、「倒産は緩やかに増勢をたどり、同時に廃業を決断する企業も増える可能性が高まっている」と警鐘を鳴らしている。
また、同日発表した9月の全国企業倒産は873件(前年同月比8.1%増)で4年連続で増加。7月の961件に次いで、今年2番目の高水準となった。産業別では、10産業のうち9産業で前年同月を上回った。建設業は182件(同17.4%増)で今年最多となった。
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