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住宅の高性能化が進む中、空調は住まい手任せにせず、設計者がきちんと設計することが重要になっています。本連載では森こうすけさん(ミライの住宅代表理事)が、住宅における空調設計のノウハウを解説。第5回目は全館空調を、事例をもとに説明します。(毎月30日号掲載)
今回は、第一種換気+ダクト式エアコンでの空調実例を紹介します。いわゆる「定風量単一ダクト方式」と呼ばれる空調システムです。
空調計画において、換気の種類とエアコンの種類は温湿度環境に大きな影響を及ぼします。6地域の夏は、適切に全館空調をしていると屋外から室内に対して1日に20L以上の水分が流入します。第三種換気の場合は水分がそのまま入ってくるのに対して、湿度交換効率が50%の換気システムを組めば、流入する水分も半分になるので低湿度な環境がつくりやすくなります。
また家庭用ルームエアコンは、給気口から入り、屋内に均等に散らばっている水蒸気を集めて室内機で除湿する仕組みなのに対し、ダクト式エアコンを熱交換機と組み合わせて空調を設計すると、外気の湿度をそのまま除湿して家の中に配ることが可能になるので、より湿度が低い環境がつくれます。再熱設備を上手に併用すれば、さらに家中の温湿度がコントロールしやすくなり、各部屋に直接、換気と暖冷房の空気を送るため部屋ごとの温湿度調整がしやすいのもこの方式のメリットだと言えるでしょう。
換気と暖冷房の風量差に注意
ダクト設計のスキルも必要
住宅における定風量単一ダクト方式の基本構成は、熱交換換気とダクト式エアコン、そして再熱設備です。再熱設備はなくても機能しますが、ないと梅雨時や台風の時期のように“温度は下げなくてもいいが湿度だけは下げたい”時期に、思うような温湿度環境がつくれません。再熱設備は設置したほうがいいでしょう。
注意点は・・・
この記事は新建ハウジング9月30日号8面(2025年9月30日発行)に掲載しています。
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