パナソニック、リフォーム事業に注力省力化・短工期でサポート

近年、リフォーム市場は成長分野として期待されている一方、工事対象となる家屋の劣化状況にばらつきがあることや、近隣への作業音や粉じんなどの配慮、短工期を求められることなど、新築とは異なる課題も多い。そこでパナソニックハウジングソリューションズ株式会社では、リフォーム業務の効率化に向けた製品を開発し、工務店のリフォーム事業を支援する取り組みに注力している。いま特に好評なのが、「1.5 mmリフォームフロアUSUI-TA（ウスイータ）」と「和室リフォーム引き戸 FU-SMART（フスマート）」だ。

「リフォームは新築より難しい」。工務店経営者からはこのような言葉がよく聞かれる。「床・壁をはがしてみると想定外の劣化状況だった」「短工期が求められ、施工にスピード感が必要」「作業音や粉じんなどの近隣からのクレームが怖い」など。リフォーム特有のこうした懸念に加え、昨今の「熟練大工の減少」や「時間外労働の上限規制」「2025年4月からの建築基準法改正（4号特例の縮小）」などの業界情勢もあり、工務店にとって業務の効率化は喫緊の課題となっている。

「壊さず新しく」することで
負担少なく部屋を一新

そこでパナソニックは、リフォームの業務効率化に向けて、「壊さず新しく」「躯体や間取りにフィット」「搬入や取付けが簡単」「空間にフィット」「くらしにフィット」という5つのコンセプトを掲げ、リフォーム対応製品の拡充と営業支援に努めている。

「解体しない」リフォームで、手軽にスピーディにイメージ一新。

そのひとつが、「1.5 mmリフォームフロアUSUI-TA（ウスイータ）」だ。既存の床材の上に貼って、室内のイメージを一新する効果を発揮する。

この商品は2003年の発売以来、100万坪にも及ぶ実績を達成し、4年連続で前年比2桁伸長と好評なリフォーム用床材だ。主なメリットには以下のような点が挙げられる。

・撤去や廃棄のコストが不要
上貼りするだけなので、既存床の撤去・廃棄が不要。仕上がりに関わらないコストを削減できる。

・8畳程度なら工期1日
床暖房対応タイプでは、床材の裏にテープが貼付済。接着剤を塗布するだけで既存床の上に順に貼っていけばいい。非耐熱タイプでは既存床にテープを貼って貼り付けていくだけで施工できる。厚さ1.5 mmとカッターで切れるので、長さや幅の調整も容易。LDKなど大面積の部屋でもスピーディーに施工できる

・厚さわずか1.5mmでドア下のカットは不要
基材は木粉と樹脂を原料とするWPB。厚さは1.5mmしかないので、既存の開口部の納め処理が不要で、建具の調整など床施工以外の手間がかからない。

・色柄は人気の10柄をラインナップ
オーソドックスなウォールナット柄やオーク柄から、いまどき人気のウォッシュドオーク柄、エイジドチェスナット柄、グレージュヒッコリー柄などコーディネートしやすい10柄をそろえた。

・ワックスフリーで質感もいい
ワックスがけが不要。木質素材なので感触がやさしい。汚れや傷、水に強く抗菌・抗ウイルス性もあるので、居室から水廻りまで幅広く使える。

・マンションの遮音性能にも対応
マンションの管理組合の規約にも対応する、既存の防音直貼床材のLL-45または△LL(I)-4相当の遮音性能を保つ。

リフォーム受注額を
無理なく増やす

開発に携わった建築システム事業部の南出さんは、「8畳程度の部屋で従来の床の張り替えと比べると、約24％材工価格が抑えられる」と試算。短工期で施工でき、解体に伴う騒音や粉じんも出ないので、住みながらの工事でも大きな支障なく生活を続けることができる。コストも含め、建て主にはリフォームの負担が軽減されるのが大きなメリットだ。

「築20年程度でキッチンの交換などを相談されたとき、”ついでに床もリフォームしませんか？”とお勧めしやすい。1件のリフォームあたりの受注金額を無理なく増やすことも可能です」（南出さん）。

工務店側にとっても現場での人手がかからず、解体がない分、見積もりも容易。遮音性能のエビデンスも明確なのでマンションの管理組合にも許可を取りやすい。

2023年に小型犬の足腰に配慮した「USUI-TA滑り配慮仕様」、マンション用の「USUI-TA防音直貼床材向け」、2025年2月には「2.7㎜リフォーム用USUI-TA階段を発売し、いまどきのライフスタイルを考慮しながら、インテリアの統一感を高める意匠性についてもさらに向上していきそうだ。