(公財)自然エネルギー財団(東京都港区)は1月26日、自治体による太陽光発電の設置義務化による成果をまとめた報告書「太陽光発電の設置義務化の効果」(PDF)を公表した。義務化を先行した東京都、川崎市など5つの自治体における支援策や、集合住宅への導入に向けた課題と解決策について分析している。
これによると、新築戸建て住宅への設置が進む川崎市では、光熱費が削減できたことで、設置した市民の約9割が満足していることが分かった。さらに今後も太陽光発電導入の進展が見込まれている。また京都府では、工場などの大規模な建物への設置義務化を実施し、導入目標を上回る成果を出している。
これに対して集合住宅では、屋根面積の制約や買取価格の低下などもあり導入が遅れている。CO2排出削減と光熱費削減の両面で、太陽光発電が果たす役割は大きいことから、国や自治体の連携により設置義務化をさらに推進すべきだとしている。

報告書「太陽光発電の設置義務化の効果」
補助金が設備導入を後押し
報告書では、東京都・川崎市・京都府・京都市・群馬県で実施された義務化の内容と、主な支援策について紹介。事業者やオーナーを対象とした支援策として、新築住宅への設置に対し、東京都では1kWあたり10~12万円、川崎市では同7万円(非FIT)などを助成している。先行する自治体に続いて、仙台市(2027年度)や長野県(2028年度)でも義務化を計画しており、取り組みは全国的に広がりを見せている。
川崎市が実施したアンケート調査によると、太陽光発電を導入した市民が最も満足した点は、「光熱費の削減」(124件・64%)で、「停電時の備え」(29件・15%)との回答も見られた。初期費用の増加よりも居住後の経済的メリットや自然災害への対策に、住民の期待が寄せられていることが分かる。
また、補助金の効果については、「もともと予定はなかったが、設置を決める後押しになった」(42件・49%)、「予定よりも高性能な設備を設置するきっかけとなった」(20件・24%)といった回答が合わせて7割に達したことから、補助金がもたらす導入促進効果は顕著であると言える。

「太陽光発電設備の設置で満足した点と補助金の役割」川崎市
普及が遅れる集合住宅に向けては、専有部ごとにPCS(パワーコンディショナー)を設置する「入居者売電方式」の採用や、窓や壁面に設置する「建材一体型太陽光発電」といった新技術の活用が解決の糸口になるとして期待される。
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