厚生労働省は9月5日から、賃金の引き上げに取り組む中小企業を支援する「業務改善助成金」の活用を促進する目的で、補助対象となる事業場の拡充や事前提出書類の簡略化を実施している。事業場の最低賃金を引き上げと設備投資を行った中小企業を対象に、その費用の一部を助成する制度で、賃金の引き上げ額や引き上げる労働者数に応じて、30万円から600万円を支給する。
最低賃金については、全国平均で昨年度から66円引き上げられて1121円となる見込みで、都道府県ごとに10月から2026年3月にかけて順次発効される予定だ。
「50円以内」から「最低賃金額未満」に
助成金の対象については、これまで「地域別最低賃金との差額が50円以内」の事業所に限られていたが、「改定後の地域別最低賃金額未満」の事業者まで対象が広がった。例えば、改定前の最低賃金が1100円で、63円引き上げられる地域だった場合、改定後の新しい最低賃金は1163円となることから、自社の最低時給が1100円~1162円の事業者が対象となる。
助成額の上限は、引き上げ金額に応じて▽30円コース:30~130万円▽45円コース:45~180万円▽60円コース:60~300万円▽90円コース:90~600万円―となる。助成金には設備投資費が含まれており、交付決定後に行う生産性向上に資する設備への投資が対象となる。
事前提出資料の簡略化では、地域別の最低賃金改定日の前日まで賃金を引き上げる場合に、賃金引上げ計画書の提出を不要とする。その他の書類(申請書・見積書、賃金引上げ結果、設備投資などの事業実施計画書)については、従来通り提出する必要がある。
【参考資料】
・「業務改善助成金」の変更内容に関するリーフレット(PDF)
・賃金引き上げ支援策のリーフレット(PDF)
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