総務省消防庁がこのほど発表した7月の「熱中症による救急搬送状況」(PDF)によると、全国における熱中症の救急搬送数は3万9375人で、昨年同月の4万3195人から3820人減ったものの、最多だった2022年(5万4220人)に次いで3番目に多い水準となった。8月は28日までに2万5303人が搬送されている。
都道府県別では、「東京都」(3416人)、「大阪府」(2864人)、「愛知県」(2411人)、「埼玉県」(2283人)などが上位に。記録的な猛暑に見舞われた「北海道」は全国で8番目に多い1582人が搬送された。
今年は7月から8月上旬にかけて、国内の観測史上最高気温が相次いで更新されるなど記録的な猛暑となり、7月24日には北海道北見市でも史上最高となる39.0℃を記録している。

7月における熱中症による救急搬送数(年別)
熱中症搬送者のうち、発生場所別では「住居」が1万6110人(40.9%)で最多に。次いで、「道路」7624人(19.4%)、「公衆(屋外)」4219人(10.7%)の順となった。建設業の仕事場が含まれる「道路工事現場・工場・作業所」は4045人(10.3%)で、4番目に多かった。
年齢別では、満65歳以上の「高齢者」が最も多く2万3064人(58.6%)。次いで、満65歳未満の「成人」1万2948人(32.9%)が多かった。医療機関への搬送時の症状は「軽症(外来診療)」が2万4554人(62.4%)と約6割を占め、「重症(長期入院)」は873人(2.2%)となった。「死亡」は前月比で約2倍となる48人(0.1%)に上っている。

発生場所(左)と初診時の傷病程度
今年5月からの各週の状況を見てみると、6月16日の週に搬送者が8679人に急増。6月30日からの週と7月21日からの週には1万人を超えた。その一方で、7月14日の週は東京を含む多くの地域で最高気温が30℃を下回る日が続いたこともあり、搬送者は5469人にとどまった。
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