家づくりの過程では建て主が判断に迷う場面も多い。接客から設計、施工管理などの業務をひとりでこなす工務店の3代目、Eさんは、ファミリー層の建て主と年代が近いことから打ち解けやすく、迷う建て主の背中を押すこともしばしば。しかし、親しい間柄が裏目に出てしまうことも…。【住宅ライター:渡辺圭彦】
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今回、トラブルを生むこととなった建て主は30代前半の男性だ。共通の知人からの紹介ということもあり、早い段階から冗談を言い合える関係を築くことができた。
「ただ、あまり決断力がないというか…。いろいろと考えすぎる傾向があって、物事がなかなか前に進まない(苦笑)」とEさん。
「すぐ塗り直せますから」という言葉が誤解のもとに
特に難航したのが外壁の色だ。「清潔感があって明るい印象の白がいい」「いや黒でスタイリッシュに決めるのもいい」「グレーなら飽きることがないかな」など、右往左往。
「CGソフトを使ってシミュレーションしてみても、軸が定まらないので、いつまでも同じところをぐるぐると回るばかり。さすがにいつかは腹を決めるだろうと見守っていたのですが…」(Eさん)。
そのうちに工事が始まって、サイディングも張り終わって、内装も進んでいく。「そろそろ決めておかないと、引き渡しに間に合わなくなる」と焦り始めたEさんは、「もし気に入らなかったら、すぐ塗り直せばいいですから」と声をかけることに。
「費用がかかるなんて聞いていない!」
しかし、CGのシミュレーションでも決められないのに、「塗り直し」という選択肢まで与えられた建て主が、決断できるはずもない。納期までに竣工はできたものの、「やっぱり外壁の色を変えたい」と言いだした。
内心「やれやれ」とため息をつきながら、Eさんは再塗装の見積もりを提出することに。しかし・・・
この記事は新建ハウジング8月20日号12面(2025年8月20日発行)に掲載しています。
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