オリコン(東京都港区)が8月1日に発表した「2025年住宅ローン利用実態データ」によると、住宅ローン契約者の8割が「変動金利型」を選択していることがわかった。調査は同社の顧客満足度調査に基づき、全国の住宅ローン利用者4018人を対象に行った。
変動金利型を選んだ理由としては、「低金利で契約できた」「手続きが早く分かりやすい」といった声が多く、金利の優位性や柔軟性を重視した傾向がうかがえる。一方で、金利変動に対する不安も増加傾向にあり、「金利」への不安を感じる人は前年比で3.7ポイント増の45.9%となった。
団信特約は「がん保障」が5割超
団体信用生命保険(団信)の特約では、「がんに対する保障」に加入した人が52.4%と最多。基本保障以外で約2人に1人ががん保障を選んでおり、疾病リスクへの備えが重視されている。その他、「脳卒中・心筋梗塞」(29.6%)、「生活習慣病」(19.8%)への保障も一定の加入率を示した。
また、住宅ローンの借り換え理由として「以前の金利が高かったから」が75.9%と圧倒的で、前年比2.7ポイント増。金利の見直しを主眼に借り換えを選ぶ傾向が顕著となっている。
新築は長期返済の傾向が顕著
返済期間では、「31~35年」が全体の半数以上(50.6%)を占めた。住宅種別では、新築住宅における長期返済志向が顕著で、注文住宅で47.9%、建売住宅で56.7%、集合住宅では59.1%がこの期間を選択。一方、中古住宅では中期(15~30年)の返済を選ぶ割合が4割以上に上り、新築との違いが浮き彫りとなった。
本調査は、過去3年以内に住宅ローンの新規借り入れまたは借り換えを行った全国の20~69歳の男女を対象に、2025年4月~5月にかけてインターネットで実施した。
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