LIFULL(東京都千代田区)が運営する「LIFULL HOME’S」は、住宅購入者826人と購入検討者1099人を対象に実施した「住宅ローンに関する意識調査」(2025年7月実施)の結果を公表した。マイナス金利解除後の金利上昇への懸念が広がる中、住宅ローン利用者の意識の変化が浮き彫りとなった。
調査によると、購入者・検討者ともに「固定金利」の選択が前回(2025年1月)調査より増加。変動金利の選択率は購入者で64.1%(前回比-5.6pt)、検討者で56.0%(同-1.3pt)と減少しており、金利上昇への備えとして固定型へのシフトが進んでいる(下グラフ)。
一方、住宅ローンの返済負担に対する不安は依然として高く、購入者の69.9%、検討者では93.2%が「不安あり」と回答。特に検討者の「大いに不安がある」は57.4%に達し、前回調査よりも7.2pt増加した。
金利上昇への対策については、購入者の約6割が何らかの対策を講じているものの、4割は未対応。その理由として最も多かったのは「特にない/考えたことがない」(49.6%)で、対策の必要性は感じつつも行動に移せていない層が多いことが明らかとなった。
住宅ローンの借入額に対する意識にも変化が見られた。世帯月収に占める住宅ローン返済額が「3割以上」の割合が前回調査よりも3.6pt増加(下グラフ)。世帯月収に占める返済額が「3割以上」の層では、「もっと借入額を減らせばよかった」との回答が39.1%に達し、「適切だった」(38.4%)を上回った。金利上昇により生活費への影響が強まっていることがうかがえる。
また、購入検討者の銀行選びでは、年配層が「金利の低さ」「保障付き」「借入可能期間」を重視する一方、若年層では「ペア団信」の支持が高く、世代によって選択基準に違いがあることも判明した。
LIFULL HOME’S総研の中山登志朗チーフアナリストは、調査結果から、「金利がまだ低いうちに固定で借り入れようという意向が強まっていることが明らか。金利上昇が現実味を帯びる中、住宅ローンの選び方や返済計画の見直しが重要になる」と指摘している。
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