新建ハウジングでは7月22・23日の2日間にわたり、「大工工務店の進化形」として業界内外から注目を集める菱田工務店(長野県坂城町)の建築・空間を体感し、ものづくりの本質に迫る視察・研修ツアーを開催した。市況が厳しさを増すなかで、家づくりや経営をアップデートするヒントをつかもうと、全国の工務店経営者・実務者ら24人が参加。「見たことのない世界観に圧倒された」「つくり手として心を揺さぶられるメッセージだった」「あらためて地域工務店の可能性に気づかされた」といった声が相次いだ。【編集部 関卓実】
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工務店の進化の可能性を感じ取りながら、自社の家づくりや経営をアップデートするヒントをつかもうと、全国から意欲あふれるつくり手が集った
初日はツアーの目玉として、軽井沢町に建てられた同社の設計・施工による区分所有型別荘を視察した。販売総額5億円超の木造2階建て・延べ床面積約270㎡。同社代表で大工アーティストとして国内外で活動する菱田昌平さんが、15~16世紀のベルギー古民家をモチーフにデザインした「ティンバー」スタイルの建物だ。
手加工で仕上げた大径の丸太(クリ材)を組み上げた構造フレーム(柱・梁)をあらわしにし、土や石など自然素材をふんだんに用いたラスティックモダンな空間が特徴。参加者は「こんな空間は初めて見た」と驚きつつも、菱田さんに直接、美意識や設計哲学などについて質問しながら、ディテールなどを丹念に観察していた。
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| ツアーの目玉として視察した菱田工務店の設計・施工による軽井沢町の区分所有型別荘。販売総額は5億円を超える。大工・職人による手しごとの魅力が随所に散りばめられた建築・空間が、富裕層から高く評価されている | |
そのほか同日は、全国の工務店へノウハウの提供も行っている提案型注文住宅ブランド「HUIZEN(ハウゼン)」のなかの1タイプのモデルハウス(坂城町)や、同社のものづくりの“心臓部”、かつ大工育成拠点でもある加工場も視察。菱田さんや菱田さんの“右腕”で専務の玉置健二さんが案内役を務め、手しごとを基盤にした独自のものづくり文化について説明した。

菱田さんを囲んで対話する様子。参加者の多くから「ものづくりにかける菱田さんの情熱に触れたことが、このツアーでの何よりも大きな収穫だった」との声が
HISHIDAメソッドを本人から学ぶ
2日目の座学で講演した菱田さんは、自身の大工としてのキャリアやティンバースタイルの誕生秘話なども語りながら、「デジタル化やAIが進む時代だからこそ、人の手によるものづくりの価値が一層高まる」と強調し、大工・職人による手しごとを高い付加価値にする独自の思想と手法を紹介。そのうえで・・・
この記事は新建ハウジング8月10日号4面(2025年8月10日発行)に掲載しています。
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