東京カンテイ(東京都品川区)は6月9日、5月の主要都市における中古木造一戸建ての平均価格動向を発表した。
首都圏の中古一戸建ての平均価格は、前月比5.0%増の4124万円と4カ月ぶりに上昇。前年同月比は平均築年が同程度ながら9.2%増となった。東京都は6804万円(12.4%増)と大きく上昇し、2014年4月の集計開始以降最高価格を更新した。
神奈川県は4247万円(5.1%増)と4カ月ぶりに上昇。千葉県は2年近く築古化が進み、2889万円(4.9%減)と下落に転じた。埼玉県は築年数が1年進んだが3003万円(7.3%増)と上昇に転じ、3000万円台に。千葉県を除く3都県で5%以上価格が上昇し、首都圏全体では築古化したものの価格は上昇した。
都市別では、東京23区が1億1354万円(8.2%増)と4カ月ぶりに上昇。前月からの反動で築古化が進み、平均築年が同程度の前年6月の価格も上回った。都下は4265万円(0.8%減)と2カ月連続下落した。
横浜市(11.7%減)は2年以上築古化し大きく下落。千葉市(4.9%増)は連続上昇。さいたま市(26.3%増)は大きく反転上昇し、平均土地面積が前月比・前年同月比ともに拡大した。
近畿は反転上昇、中部は3カ月連続下落
近畿圏は、前月比0.8%増の2966万円と反転上昇。大阪府は3231万円(5.9%増)と平均築年が前月と同程度ながら上昇に転じた。兵庫県は2873万円(1.8%増)と3カ月ぶりに上昇。京都府は4108万円(4.2%減)と反転下落したが、4000万円台と高い水準を維持している。
都市別では、大阪市が6713万円(47.4%増)と大きく反転上昇。土地・建物面積の広い高額物件が複数みられた。神戸市(2.2%増)は3カ月ぶりの上昇。京都市(3.4%増)は2カ月連続上昇した。
中部圏は、前月比0.1%減の2486万円と僅かながら3カ月連続下落。愛知県は3030万円(2.0%増)と3カ月ぶりに上昇した。前年同月比は築古化しているものの価格が上昇した。名古屋市は3833万円(0.1%減)と下落が続いた。
宮城県は、前月比4.0%減の2713万円と反転下落。前年同月比は、築古化しているのに価格が上回る状況が続いている。仙台市は3381万円(0.3%増)と2カ月連続上昇したが、上昇率は大幅に縮小した。
福岡県は、前月比0.2%増の2500万円と2カ月連続上昇し、平均築年が同じ3月の価格を上回った。福岡市は4323万円(2.4%減)と下落に転じた。
調査対象は、敷地面積100㎡~300㎡の木造住宅で、最寄り駅からの所要時間が徒歩30分以内かバス20分以内の物件。
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