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小山 貴史 エコワークス |
2004年にエコワークス株式会社を創業し、九州を中心に注文住宅事業を展開。2013年からは高性能リノベーション事業を開始し、平均単価約3000万円のリノベーションを年間30件程度受注している。経済産業省「ZEHロードマップ検討委員会」委員、一般社団法人ZEH推進協議会代表理事等を歴任 |
等級6が目指すべき水準
新築では今年度、断熱等級6・一次エネルギー消費量35%削減を要件とするGX志向型住宅の定義が誕生した。ZEHの基準もGX志向型の水準に準じて見直される予定だ。こうした潮流の中、リノベーションでも断熱等級6・一次エネ削減率35%が理想的な水準になっていくだろう。
2024年度のサステナブル建築物等先導事業(省CO2型)では、性能向上リノベの会(YKK AP)と共同提案した「ZEH水準を超えた断熱・省エネ改修プロジェクト」が採択された。本事業では断熱等級6・一次エネ削減率30%を要件とする。GX志向型にかなり近い水準だ。
当社のリノベはまだ全棟断熱等級6ではないが(とはいえ半数以上は等級6に達している)、今後は先導事業の要件レベルにシフトしていこうと考えている。そもそも、断熱のレベルを落とすと市場はレッドオーシャン。競争力を持つためにも高性能は必須だ。
新築・リノベを並列検討
今は第二次リノベブームの真っ只中にあると感じている。第一次ブームは2015年ごろ。当時もたくさんの会社がリノベに参入してきたが、その難しさから多くが撤退していった。第二次ブームの今もプレイヤーの増加を感じる。
当社のリノベ事業は新築(注文)住宅の市場を狙っている。そのため30~40代の顧客のシェアが高いのだが、新築との競合―持ち家(実家)を建て替えるか、リノベするか―が如実に高まっている。他社と競合するというよりは、新築の資料を請求した方から後でリノベの資料請求があった、リノベ希望だったが建て替えが必要だったので新築に誘導する、といったケースが増加しているというほうが正しい。
当社の場合、仕様や素材は新築と同一。新築だとUA値は平均で0.39W/㎡Kだが、リノベでも床下エアコンを採用する場合は基礎断熱で断熱等級6(UA値0.46W/㎡K)を必須としている。リノベでの床下エアコンの採用率は4割程度で、フルリノベでは特に要望が多い。
気密測定もフルリノベは全棟実施する。最低でも・・・
続きは「あたらしい工務店の教科書2025」P.31〜でお読みいただけます。
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