建設産業専門団体連合会(建専連)はこのほど公表した「働き方改革における週休二日制、専門工事業の適正な評価に関する調査結果報告書」(PDF)の中で、女性の就労環境の整備状況についてまとめている。
同調査は、正会員34団体に所属する会員企業およびその下請企業を対象に行ったもので有効回収数は834件。調査期間は2024年11月12日~12月16日。
更衣室・休憩室の設置進まず
女性専用トイレの設置状況については、「ほとんどの現場で整備されている」(26.5%)が最多となり、前年度調査より3.9ポイント増加。「半数の現場で整備されている」(23.2%)の回答も0.9ポイント増えるなど、一定の進展が見られる。
会社の規模別では、30人以上の企業で「ほとんどの現場で整備されている」との回答が多かった一方で、「1~4人」「5~9人」の企業では、「ほとんど整備されていない」が最多となった。「大工工事業」は「半数の現場で整備されている」(34.3%)の回答が最も多くなっている。

女性専用トイレの設置状況
女性専用更衣室の設置については、「ほとんど整備されていない」が38.8%で最も多く、「わからない、その他」(21.7%)、「女性技能者がいないため不要」(16.8%)がそれに続いた。休憩室については、「ほとんど整備されていない」(48.3%)、「わからない、その他」(21.9%)の順となり、ともに整備の遅れが目立っている。

女性用更衣室と休憩室の整備状況(資料より一部抜粋)
多様化が女性の雇用を後押し
個別意見では、女性技能者に関する課題として、「体力的な負担や高所作業、他の大工の言葉遣いが原因で退職した」(工務店・山口)、「女性はトイレなどが整備されたゼネコンの現場のみにしか行かせられず、生理で休むこともあるため、他の若手社員から不満の声が出た」(左官・広島)、「朝礼への柔軟な対応が必要」(とび・広島)などの意見があがった。
一方、女性を雇用して良かった点については、「他の技能者たちの面倒を見てくれたり、男性では目の行き届かないところに目が届く」(左官・千葉)、「重機など人に危険を及ぼすようなものを扱う時は慎重な女性の方が向いている」(管・神奈川)、「現場がきれいになり、コミュニケーションが増えて現場が明るくなる」(基礎・宮城)などがあった。
他にも、「外国人実習生の雇用で多様性が受け入れやすい環境になっていることから、女性の雇用への抵抗感が薄れてきた」との声もあった。現場の環境整備や人材の多様化が進み、女性技能者が働きやすい環境も徐々に整いつつあるが、さらなる改善が求められる。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。



























