厚生労働省がこのほど公表した2024年度の「働く女性の実情」によると、同年度の女性の労働力人口は3157万人で、前年度から約33万人増加した。男性は3800万人で約1万人減少している。労働力人口総数に占める女性の割合は45.4%で、前年から0.3ポイント上昇した。一方、建設業で働く女性は78万人で前年比では横ばい。男性の就業者が前年度から4万人減少していることから、構成比は19.4%となり、前年度比で0.2ポイント増加した。

男女別就業者数・女性の就業率の推移
家庭との両立支援が課題に
年齢階級別に見ると、「25~29歳」(88.9%)、「35~39歳」(81.4%)、「45~49歳」(83.9%)となり、これらの年齢階級における労働力率(=年齢別人口のうち労働力人口の占める割合)が8割を超えた。さらに「60~64歳」(66.8%)の階級では、労働力率が大きく上昇し、1968年以降で過去最高の水準となった。
その一方で、正規雇用比率は「25~29歳」の60.3%をピークに、「30~34歳」(51.6%)、「35~39歳」(41.4%)、「40~44歳」(38.5%)と、右肩下がりとなる傾向が続いている。このことから企業には、育児・家庭と仕事の両立を支援するなどの対策をさらに講じる必要があるとした。

女性の年齢階級別 正規雇用比率
男女賃金差要因、最大は「役職」
男女間の賃金差異については、短時間労働者を除く一般労働者の所定内給与額が、男性平均が36万3100円に対し、女性は27万5300円となった。この差異の要因について「男女間差異の縮小の程度」で分析した結果、「役職」による影響が8.8と最も大きく、次いで「勤続年数」の影響が3.6となった。

男女間の賃金差異の要因(単純分析)
「男女間差異の縮小の程度」は、男女の条件を同じにした場合に、賃金差異がどの程度縮まるかを示した数値で、例えば今回のケースでは、男女が同じ「役職」に就いた場合に、賃金差異が8.8縮まることを意味する。
セクハラの相談が最多に
2023年度に都道府県労働局へ寄せられた男女の均等取扱いに関する相談では、「セクシュアルハラスメント」に関する内容が7414件(38.1%)で最多となり、「婚姻、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い」が5075件(26.0%)、「母性健康管理」3225件(16.6%)が続いた。労働局では差別的な取扱いを行った企業に対し、是正指導を行っている。

均等法に関する相談件数
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