今や寒くない窓辺は当たり前。差をつけるのは窓辺の居心地。「チルい=くつろげる」窓辺を実現するあの手この手を探ります。
※本記事は、新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー4月号「チルい窓」掲載の事例から、「都市の隙間を生かして密集地の採光・通風を整える」(設計:竹味佑人建築設計室・松盛真衣建築設計事務所・久保洋香)の内容を抜粋したものです。
設計:竹味佑人建築設計室・松盛真衣建築設計事務所・久保洋香
取材・文:大菅力

2階の東面バルコニーを介して外部を見る。道路を挟んで向かい側が戸建て住宅の庭になっており、唯一開けている
窓手法① 都市の隙間から多様な光を取り込む
●敷地は東側で接道しており、道路を挟んだ向かい側の一部は隣家の庭。そのほかの方位は建物が密集しているため、東に大きく開いて視線の抜けを確保。南北や西面は採光が期待できる「都市の隙間」を見つけて窓を設けた
●「隙間」の1つが2階吹き抜け頂部のハイサイドライト。北側に開いて安定した採光を導いた。光を受ける壁面をシルバー塗装で仕上げ、リフレクターとしている。この窓は高い位置にあるので重力換気が働きやすい。中間期は換気・通風にも用いる
●もう1つの「隙間」が南・西面のコーナー小窓。窓近くのエリアの天井高を下げて、シルバー塗装で仕上げた。掃き出し窓からの光がシルバーの天井に当たって拡散。明るさ感(高輝度面)を増幅する
窓手法② バルコニーの開き方をCGで検討
●都市部において内外をつなげる手法としてバルコニーは有効だ。ここでは南側に外壁を設けて屋根で覆った。隣家からのプライバシーを確保して、雨天時も利用できる場所に設えた
●壁と屋根で覆うことで、バルコニーに面する大開口が「延焼の恐れのある部分」から外れて防火窓を用いなくて済む。ここでは窓にサーモスⅡ(防火設備)とTW(非防火)を使い分けている
●バルコニーをはじめ、東面の開口部はCGパースによりさまざまなパターンを検討。バルコニーの使い勝手や外観、室内の明るさなどを比較して・・・
この記事は『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー4月号(2025年3月30日発行)チルい窓』(P.66〜)をデジタル版に再編集したものです。続きは本紙でご覧いただけます。
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