今や寒くない窓辺は当たり前。差をつけるのは窓辺の居心地。「チルい=くつろげる」窓辺を実現するあの手この手を探ります。
※本記事は、新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー4月号「チルい窓」掲載の事例から、hplus(福井県福井市)「木建の連窓で内外を曖昧につなぎ軽やかなファサードをつくり出す」の内容を抜粋したものです。
設計:hplus
取材・文:大菅力

「h+BASE」のイベントスペース。東(正面)と南(右側)の2面に大きく開いている。南面の開口部はアルミ樹脂複合サッシのFIX窓
窓手法① 連窓を可能にする構造的な工夫
●1階は木製建具(木建)による連窓。木建保護のためにキャンティレバーで2階を910㎜持ち出している。庇を用いなかったのは積雪が多いため
●1階東西の連窓を確保するため北西に耐力壁を集めた。東面の1・2階に設けた窓の一部には、窓に重ねるように鋼製ブレースのコボットや木製筋かいをたすき掛けで配置
●上記に加えてスキップフロアの段差を利用して合成梁を設け、各フロアをつないで水平構面を固めた。さらに東面の壁と直交するはね出し部分の戸界壁をトラスとして、屋根の鉛直荷重を負担している
●ちなみに南面の日射遮蔽は庇で行う。東面1階の日射遮蔽は落葉樹主体の植栽で行うほか適宜タープを張って防ぐ。2階は窓の高さを絞って遮熱型Low-Eガラスにする
窓手法② 木製建具による開け締め自在な連窓
●1階の連窓(掃き出し窓)にはペアガラスを組み込んだ木製建具を採用。既製の断熱サッシより気密性能は落ちるが、価格を抑えてイベントスペースの窓を全開口にすることを優先
●連窓部分は120㎜角の柱を1820㎜ピッチで配置。建具を全開した時に・・・
この記事は『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー4月号(2025年3月30日発行)チルい窓』(P.40〜)をデジタル版に再編集したものです。続きは本紙でご覧いただけます。
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