積水化学工業子会社の住環境研究所(東京都千代田区)は2月18日、みずほリサーチ&テクノロジーズとの共同研究により、高断熱住宅に住み続けることで脳血管疾患による健康損失期間(病気や障害によって健康な生活が送れない年数)を削減できる可能性を確認したと発表した。
ワシントン大学医学部が提供する世界的な疾病負荷データセット「GBD」と、健康損失期間を数値化した指標「DALY(ダリー)」を用いて検証したもの。断熱等級3相当の住宅と断熱等級5・6・7相当の住宅住民を想定したシナリオを作成し、シミュレーションにより人口10万人あたりのDALYを算出して比較・分析している。
断熱等級が高いほど効果大
その結果、25歳以上の脳血管系疾患の罹患(りかん)者については、住宅の断熱等級が高くなるほど、健康損失期間が削減されることが分かった。例えば、脳梗塞・脳出血などの脳血管系疾患の場合に、断熱等級3相当の住宅のDALYは1965.4だったが、等級6相当では1632.0となり削減率は17%に達した。さらに等級7相当では削減率が22%にまで高まった。

「断熱等級3相当」と「断熱等級5・6・7相当」の比較
また、年代別(男性・脳梗塞の場合)のDALYを比較したところ、30代では16%、40代と70代では18%、50代と60代では19%となり、30代よりも高齢層の方が健康損失期間の削減効果が高いことが確認された。

年代別のDALYと削減率
この検証結果について、住環境研究所の太田真人所長は「高断熱住宅が健康とエネルギー効率の両面で大きく貢献できる可能性が示された」と話す。みずほリサーチ&テクノロジーズの担当者は「今回の調査で断熱住宅がもたらす健康インパクトを定量的に把握できた。こうした結果が住環境改善に関する政策や企業の非財務価値の可視化などに生かされることを期待する」と述べている。
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